2023.09.19
危機管理
安全運転の意識向上に必要な要素は?具体的な行動や企業の取り組み事例を解説
危険運転による死亡事故の増加など、深刻な社会問題の一つである自動車の交通事故。多発する事故を防ぐためには、安全運転に対する意識向上が重要です。
この記事では、自動車の交通事故を防ぐために必要な心構えや、具体的な行動について解説します。
目次
安全運転の原則「安全運転5則」の実践
安全運転5則とは、警察が定めている交通事故防止を徹底するためのスローガンです。自動車の免許取得・更新時には、講習等で目にする機会もあるでしょう。
安全運転のためには、安全運転5則に関する意識向上が欠かせません。具体的な内容を、再度確認しておきましょう。
1:安全速度を厳守する
安全速度とは、起こりうる危険に対して、回避行動を取れる時間的余裕のある速度です。法律や道路によって設定されている法定速度や制限速度とは異なり、それ以下の速度を指します。
2:曲がり道の手前では減速する
自動車がカーブを曲がる際には、遠心力の影響で車体が外側へ膨らみます。車線からのはみ出しは事故へ繋がる大きな要因です。カーブの手前では、確実に減速しなければなりません。
3:交差点では必ず安全を確認する
交差点は交通事故の多発するポイントです。対向車や歩行者の有無を確認し、信号機だけにとらわれない状況判断と、適切な自動車操作が求められます。
4:一時停止を駆使して横断歩行者の安全を守る
標識や標示の有無に関わらず、横断歩道の手前では一時停止を意識しなければなりません。横断歩道がない場所においても、歩行者の存在を確認した際には、一時停止が必要です。
5:飲酒運転は絶対にしない
飲酒運転は犯罪行為です。アルコールは正常な判断能力を奪います。運転手本人はもちろん、同乗者や酒類を提供した関係者も罪に問われます。
安全運転に必要な運転手の心構え
自動車を運転する際には、安全運転5則を実践しなければなりません。ただし、安全運転を維持するためには、運転手自身の心構えも重要になります。自動車を運転する際に意識しておきたいポイントをまとめました。
運転に集中する意識
自動車の運転中はなにが起こるか予想できません。だからこそ、周囲の環境や変化する状況に意識を集中しなければなりません。
よそ見運転やながら運転など、運転以外の要素に気を取られた状態は、交通事故のリスクを高めます。自動車を使用する際には、運転にのみ集中する意識が必要です。
運転技術を過信しない
運転経験や期間が長くなると、自動車の操作に対する過信・慢心が生まれます。過信・慢心は注意力や集中力を削ぎ、交通事故の大きな要因となり得ます。
自動車の運転歴や技術に自惚れてはいけません。自分自身が交通事故の当事者になるかもしれないという可能性を意識し、緊張感を持った運転を心がけましょう。
交通事故のリスクを想像する
交通事故を起こした際には、様々なリスクが発生します。刑罰や行政処分、損害賠償など、法律で定められた罰則はもちろん、心身面の負担や周囲からの信用問題に至るまで、交通事故によって失うものは計り知れません。
自動車を運転する際には、事故の当事者になった際の状況を想像することが大切です。
交通事故を防ぐための具体的な運転行動
原則と心構えをしっかりと意識した上で、自動車を運転する際に実践すべき具体的な行動を見ていきましょう。
危険予測
現在の状況にとらわれることなく、これから起こり得る危険な事態をあらかじめ予測しておく行為です。危険な事態には、自動車やバイク、自転車や歩行者などの急な方向転換や死角からの飛び出しなどを挙げることができます。
自動車の運転中に起こる危険は一瞬の出来事です。あらかじめ危険を予測し、日頃から意識していなければ回避は困難でしょう。危険予測が万全であれば、交通事故を回避できる可能性が上昇します。
適切な運転操作
「運転操作不適」は、交通事故を引き起こす原因の一つです。アクセルとブレーキの踏み間違えやウィンカーの使用忘れ、片手運転など、自動車の操作ミスは交通事故に直結します。運転の際には精神を平静に保ち、自動車操作に適切な姿勢維持を意識しましょう。
再確認
交差点や横断歩道など、対向車や歩行者が多発する地帯では、安全確認が重要です。交通量が多い地域や交通事故が多発している地点では、一度だけではなく、もう一度、安全確保に関する確認を行いましょう。
企業が取り組む交通安全活動の事例
安全運転や交通事故防止のためには、運転者自身だけでなく、企業や事業所など、組織レベルでの取り組みが重要です。
現在では、安全運転に関する様々な教育や活動が、積極的に行われています。具体的な事例をまとめました。
安全運転講習会への参加
安全運転講習会とは、自動車の特性理解や実践的な運転技術の向上、安全運転の重要性の喚起を目的として実施されているイベントです。
講習会は様々な組織や団体によって行われています。中でも、各都道府県で実施されているJFA(日本自動車連盟)や、全日本交通安全協会主催の講習会は規模が大きく、毎年多くの企業が参加しています。
交通安全啓発・啓蒙活動の実施
社員や従業員の交通安全意識を高めることを目的とした、啓蒙活動を実施している企業も存在します。
活動内容は様々であり、代表的なものには、街頭啓発やチラシ・ポスターの配布などの社外啓発活動から、ヒヤリマップの作成や専門家による講義などの社内啓蒙活動を挙げることができます。
〈参考〉一般財団法人 全日本交通安全協会 JFA(日本自動車連盟)
まとめ
ほんの少しの油断や慢心が招く交通事故。事故を防止するためには、安全運転に対する高い意識が必要不可欠です。自動車を運転する際には、安全運転5則を意識しつつ、環境や状況に適した判断を実践しなければなりません。