2025.08.28

危機管理

生活道路の制限速度は?2026年9月から時速30kmへと引き下げに!

生活道路の制限速度は、地域住民の安全を守るための重要な取り組みです。従来の法定速度ではリスクが高く、歩行者や自転車が安心して通行できる環境整備が求められていました。
 
政府が提出している道路交通法改正案が成立すれば、令和8年(2026年)9月から法生活道路の多くが時速30kmに引き下げられる予定です。
 
トラックドライバーやタクシードライバーの職業ドライバーも、法改正後は生活道路での運転、業務についてさらに気を遣わなければなりません。
 
今回の記事では、令和8年(2026年)9月から施工される、生活道路の制限速度について詳しく解説していきます。

目次

標識がない一般道路の制限速度は時速60km

標識や標示で制限速度が示されていない道路では、「法定速度」が設けられています。
 
法定速度とは、道路交通法施行令で定められた最高速度です。一般道路の最高速度は、時速60kmになります。
 
住宅街などにある、道幅の狭い生活道路であっても、標識などで速度指定がない限りは、最高速度は時速60kmです。

令和8年(2026年)9月から生活道路の制限速度が時速30kmに

生活道路とは、地域住民が日常的に利用する住宅街や商業地などにある道路を指します。
 
生活道路については、これまで法令上の明確な定義はありませんでした。改正法では、センターラインや中央分離帯がなく、道幅が5.5m未満の道路を「生活道路」と位置付ける予定です。
 
この区分により、生活道路の法定速度が従来の時速60kmから30kmに引き下げられ、歩行者や自転車の安全確保を目的とした交通環境の整備が進められます。

生活道路の制限速度が引き下げられた背景

生活道路の制限速度が引き下げられた背景には、歩行者や自転車利用者の安全確保が強く求められたことがあります。
 
従来、標識がない限り法定速度は時速60kmでしたが、生活道路では実態にそぐわないとの指摘がありました。
 
警察庁の交通事故統計によると、時速30kmを超えると歩行者の致死率が急増することが確認されています(警察庁「交通事故統計年報」参照)。これを受けて、令和8年(2026年)9月から法定速度が時速30kmに変更される予定です。
 
これにより、通学路や住宅街などでの事故抑止が期待されています。

なぜ時速30kmなのか?

生活道路の最高時速を、時速30kmに制限する試みは過去にも行われていました。それが「ゾーン30」です。
 
「ゾーン30」とは、住宅地や通学路など人の往来が多い区域で、速度抑制と事故防止を目的として、平成23年(2011年)9月から導入されました。
 
警察庁の資料によると、令和5年度末(2023年度末)までに、「ゾーン30」は全国で4,358ヶ所に整備され、交通事故抑止に効果があることが確認されています。
 
こういった効果や背景があるため、全国の生活道路で制限速度が時速30kmまでとなる運びとなりました。

出典:生活道路における安全確保|警察庁

職業ドライバーが気を付けたいこと

こちらでは、生活道路の制限速度が時速30kmになることで、職業ドライバーが気を付けたいことを、交通安全と業務効率の2点から解説していきます。

交通安全

生活道路の制限速度が時速30kmになることで、職業ドライバーは安全運転の再徹底が求められます。
 
常に速度計を確認し、時速30km以下を厳守することはもちろん、歩行者や自転車、特に子供の飛び出しに対する予測運転がこれまで以上に重要です。
 
狭い道ではトラックを含む大型車は死角が多く、内輪差も大きいため、徐行しながら交差点や路地の安全確認を怠らないようにしましょう。

業務効率

生活道路での時速30km規制は、運行計画に大きな影響を与えます。従来の所要時間では、目的地までの到達に間に合わない可能性が出てきます。
 
そのため、事前にルートごとの所要時間を再計算して、無理のない運行スケジュールの立て直しが必要です。
 
生活道路を極力避ける代替ルートの検討も有効ですが、迂回による燃料費増加も考慮しなければなりません。
 
また、移動時間の増加を補うため、積み降ろし作業の効率化、荷物の配置の工夫、顧客との事前の連絡を密にすることで、全体の業務効率を維持・向上させる努力が求められます。
 
最新のナビゲーションシステムを活用し、規制情報を把握することも、スムーズな運行に繋がります。

まとめ

生活道路についてはゾーン30の導入により、制限速度の規定が設けられていました。そして、令和8年(2026年)9月から、生活道路の制限速度が時速30kmになります。
 
職業ドライバーもこれまで以上に交通安全に気を配り、なおかつ業務効率を落とさないことが求められます。

BACK TO LIST

KEYWORD キーワード