2022.12.20

危機管理

トラック事故を防ぐ対策は?原因と予防策について

目次

令和4年3月に公表した国土交通省の資料によると、トラック事故の重大事故発生状況は年々 減少傾向にあります。

 

引用:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/subcontents/data/statistics63.pdf

 

しかし、それでも事故自体は完全になくなったわけではありません。人間が運転を行う以上、常に事故のリスクは付きまといます。

この記事では、トラック事故が起きる原因や対策、またトラック事故の被害の大きさについて解説していきます。

トラック事故は甚大な被害を出す

トラックは車両のサイズが大きいため、道路で転倒すると後続車など他の車を巻き込みやすいです。

また、積んでいる荷物が散乱して、走行している他の車に被害を出すこともあります。

危険物を積んでいる車両もあり、令和4年3月に公表した国土交通省の資料によると、『危険物等車載車両の重大発生状況』は以下の通りです。

 

【令和2年:危険物等車載車両の重大発生状況】
 

  • 事故件数:45件
  • 積載物の内訳:危険物22件(48.9%)、毒薬・劇物5件(11.1%)、高圧ガス18件(40.0%)
 

引用:https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/subcontents/data/statistics63.pdf

 

全体の事故件数としては少なめですが、1件でも危険物等車載車両の事故が起きた場合、甚大な被害を出すのは想像できるでしょう。

危険物でなくとも、トラックの荷物が道路に出てしまうと、2次的な被害は避けられません。

車両のサイズの大きさや、荷物による2次的な被害が、トラック事故の甚大な被害の原因と考えて良いでしょう。

トラック事故の傾向

この項目では、事故内容や発生時間帯など、トラック事故の傾向について紹介していきます。

事故内容

トラック事故の事故種類の特徴として、以下の3つが挙げられます。

 
  • 追突事故
  • 出会い頭事故
  • 右左折時激突
 

トラック事故で一番多いのが『追突事故』です。全日本トラック協会の資料によると、追突事故の件数が全体の約半数を締めます。

また、見通しの悪い交差点では、出会い頭激突や右左折時激突も起こりやすいです。

特にトラックでは、左折時の巻き込み事故が多い傾向にあると言われています。

また、件数は少ないものの、対人事故に関しては死亡率が高い傾向にあります。

 

引用:https://jta.or.jp/wp-content/themes/jta_theme/pdf/anzen/kotsuanzen_ichiran/jiko_r03.pdf

事故の原因

事故の原因としては、以下の4つが挙げられます。

 
  • 漫然運転
  • 脇見運転
  • 安全不確認
  • 動静不注意
 

トラック運転は長時間走行が多いため、どうしても漫然運転になりやすいです。集中力の低下でついついボンヤリしてしまったり、ラジオや音楽などを聴き入ってしまうことが多いでしょう。

また、これは一般的な自動車事故にも言えますが、風景やスマホなどに目を向けてしまう、脇見運転や安全不確認、動静不注意も原因です。

特にトラックドライバーは、これらの運転や不注意が起こりやすい傾向にあります。

トラック事故を防ぐための予防策

無理な労働をしない

昔に比べると、トラックドライバーの労働環境は改善されつつありますが、それでも過酷な現場はまだ存在します。

人手不足や燃料費の高騰などにより、1人のドライバーに過剰な労働が求めれらることがあります。

長距離ドライバーは休息時間をこまめに取る義務があり、最大4時間までしか連続運転をしてはいけません。

運転以外にも荷物の積み下ろしなど、肉体労働が求められますが、過剰な労働を無理にこなそうとせず、必ずこまめに休むようにしてください。

体調チェックをしっかり行う

無理な労働をしないことと繋がりますが、体調チェックをしっかり行うことも重要です。

無理な労働をすると、体調を崩しやすいので結果的に生産性が落ちます。

前述しましたが、夜中は居眠り運転などが原因でトラックの死亡事故が多くなります。

疲れたら、体を休めるようにしてください。また、発熱すると集中力が低下するため漫然運転になりやすいです。体調チェックをしっかりと行い、健康面の管理を徹底しましょう。

まとめ

トラック事故の被害は甚大です。しかしいくら気を付けていても、他の車との兼ね合いで事故を起こしたり、巻き込まれたりする可能性を完全にゼロにすることはできません。

だからこそ、体調管理や労働環境の改善など、トラック事故を起こさないための予防策の徹底が大切なのです。

現在では、企業にコンプライアンスの徹底が求められています。会社から過酷な労働を強いられる場合は、労働基準監督署に相談するようにしましょう。

 

参考:https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040330-10.pdf

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