2024.11.26

危機管理

危険運転とは?危険運転の種類や罰則、対処法

近年、社会問題になっている煽り運転は、「妨害運転罪」という罪になり、危険運転に該当する行為です。そのほか飲酒運転、スピード違反なども危険運転に該当します。
 
危険運転に該当する行為は、6つあります。危険運転をしないのはもちろん、危険運転に巻き込まれそうになったら、適切に対処しなければいけません。
 
この記事では、危険運転に該当する行為や罰則、危険運転されたときの対処法について解説していきます。

目次

危険運転に該当する行為

危険運転に該当する行為は、以下の6つです。
 

  1. 1.酩酊危険運転飲酒運転(酒気帯び、酒酔い運転)
  2. 2.高速度危険運転速度超過(スピード運転)
  3. 3.技能欠如危険運転運転技量不足
  4. 4.通行妨害目的危険運転煽り運転
  5. 5.信号無視危険運転赤信号無視
  6. 6.通行禁止道路危険運転通行禁止無視
参考:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律 | e-Gov 法令検索
 
こちらでは、危険運転の詳しい内容について詳しく解説していきます。

1.酩酊危険運転

いわゆる、酒気帯びや酒酔いなどの「飲酒運転」です。飲酒以外にも薬物を体内に入れて、判断能力が低下した状態で運転すると、酩酊危険運転に該当します。

2.高速度危険運転

いわゆる「スピード違反」が、高速度危険運転に該当します。法定速度や標識・標示で規定された速度を超えて、車の進行を制御するのが難しい状態での運転です。

3.技能欠如危険運転

技能欠如危険運転とは、運転技能がないにも関わらず車を運転する行為が該当します。
 
無免許運転はもちろん、ペーパードライバーで長年車に乗っていない状態で運転技術が著しく落ちているのにも関わらず、車を運転して事故を起こすと罰則の対象です。
 
また、加齢が原因で運転技術が落ちている状態で事故を起こすと、技能欠如危険運転と見なされる可能性があります。

4.通行妨害目的危険運転

「煽り運転」と呼ばれるものが、通行妨害目的危険運転に該当します。煽り運転として交通指導取締りの対象となるのは、次の10行為です。

違反の種類 違反の内容
通行区分違反 対向車線にはみ出す運転や逆走行為
急ブレーキ禁止違反 不必要な急ブレーキ行為
車間距離不保持 車間距離を極端に詰める行為
進路変更禁止違反 予告のない急な進路変更行為
追い越し違反 左車線からの追い越しや、無理な追い越し行為
減光等義務違反 不必要な前照灯の使用や、過剰なパッシング行為
警音器使用制限違反 不必要かつ執拗なクラクション行為
安全運転義務違反 執拗な幅寄せや蛇行運転行為
最低速度違反(高速自動車国道) 高速自動車国道における最低速度に達しない低速走行行為
高速自動車国道等駐停車違反 高速自動車国道上における停車や駐車行為
参考:「あおり運転」は犯罪です!一発で免許取消し! | 政府広報オンライン
 
現在、あおり運転を行うと「妨害運転罪」に問われます。飲酒運転と同等の重い刑罰がくだされ、免許取消の対象です。
 
「煽り運転」については罰則を含めて、こちらの記事でも詳しく解説しています。
「煽り運転」の罰則について!道路交通法改正の経緯と罰則内容を解説 | SAFETY LIFE MEDIA

5.信号無視危険運転

信号無視危険運転は、法律で「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」と記載されています。
 
つまり、「赤信号無視」と「危険な速度での運転」の2つが合わさった行為です。危険な速度で運転をしながら赤信号を無視して、人を死傷させると罰則の対象になります。

6.通行禁止道路危険運転

信号無視危険運転は、法律で「通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」と記載されています。
 
信号無視危険運転と同様に「通行禁止の道路を無視」と「危険な速度での運転」の2つが合わさった行為です。
 
通行禁止の道路とは、次のものが該当します。
 

  • ●車両通行止めの道路 
  • ●歩行者、自転車専用の道路 
  • ●立ち入り禁止区域 
 
一方通行や高速道路を逆走して、危険な速度で運転すると、通行禁止道路危険運転の対象です。 

危険運転致死傷罪の罰則

危険運転に対する罰則には「危険運転致死傷罪」が存在します。危険運転で人を負傷させたり死亡させたりした場合が、罰則の対象です。
 
これは、「自動車運転死傷行為処罰法」の第2条と第3条によって、罰則が定められています。該当する行為や罰則は、次の項目を参考にしてください。

自動車運転死傷行為処罰法・第2条

自動車運転死傷行為処罰法・第2条に該当する行為、罰則は次の通りです。
 
【該当行為】

  • ●アルコールや薬物の影響により正常な運転ができない状態で走行
  • ●運転を制御できないような速度で走行
  • ●運転を制御する技能がないのに走行
  • ●妨害目的で、危険な速度で人や車に接近、割り込み
  • ●危険な速度で故意に信号無視をして走行
  • ●危険な速度で通行禁止道路を走
【罰則】
  • 死亡:1年以上20年以下の有期懲役
  • 負傷:15年以下の懲役
※無免許の場合は、6ヶ月以上20年以下の有期懲役
 
参考:自動車運転死傷行為処罰法・第2条

自動車運転死傷行為処罰法・第3条

自動車運転死傷行為処罰法・第3条に該当する行為、罰則は次の通りです。
 
【該当行為】

  • ●アルコールや薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で自動車を運転し、その影響で正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた場合
  • ●特定の病気の影響により、正常な運転ができないおそれがある状態で走行した場合
【罰則】
  • ●死亡:15年以下の懲役
  • ※無免許の場合は、6ヶ月以上20年以下の有期懲役
  • ●負傷:12年以下の懲役
  • ※無免許の場合は、15年以下の懲役
参考:自動車運転死傷行為処罰法・第3条

自動車運転死傷行為処罰法、第2条と第3条の違いは?

自動車運転死傷行為処罰法、第2条と第3条の違いは次の通りです。
 
第2条の成立は、「正常な運転が困難な状態」であることを認識しながら運転して、人を死傷させることです。
 
第3条については、そこまでの認識はなくとも、「走行中に正常な運転に支障が生じる恐れがある状態」であることを認識しながら運転して、そして正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させることで成立となります。

危険運転の対処法

危険運転に巻き込まれそうになったら、安全第一を念頭に行動しましょう。コンビニやスーパー、サービスエリア等の駐車場に避難し、交通事故に遭わないようにしてください。
 
煽り運転で執拗に自分を追い回してくる車も同様で、できるだけ人が多くいる場所に避難しましょう。
 
相手の車からなるべく離れて、相手と直接コミュニケーションをとらないようにしてください。相手が自分の車に迫ってきても、決して外に出てはいけません。
 
安全な場所に避難できたら、警察に通報します。通報する内容は、危険運転している車のナンバーや車種、車の色など、覚えている情報をできるだけ伝えてください。
 
ドライブレコーダーや、同乗者がいればスマホに録画してもらって、動画を確認しながら状況・情報を伝えるのがおすすめです。
 
危険運転や悪質な運転を見かけた場合は110番のほか、警察本部の相談窓口「#9110」に通報して、状況を説明してください。

まとめ

飲酒運転はもちろんのこと、スピード違反や信号無視、煽り運転などは「危険運転」に該当する行為です。
 
自分が危険運転をしないことはもちろんのこと、危険運転に遭いそうになったら、速やかに安全な場所に避難しましょう。
 
安全な場所に避難したら、速やかに警察に通報して、危険運転している車の情報を伝えてください。

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