2025.01.23
危機管理
トラック運転手必見!雪道の走り方や注意したい場所、事前準備を解説
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雪道の運転には、様々な場所に危険が潜んでいます。長距離運転で日本の色んな場所を走行するトラックドライバーは、雪の降りやすい寒冷地を運転する場合があります。
トラックが安全運転するためには、どのようなリスクがあるか、事前に把握しておくことが大切です。
今回の記事では雪道運転の危険性、雪道の走り方や注意したい場所、事前準備について解説していきます。
目次
雪道運転の危険性
雪道運転の危険性は、次の4つが挙げられます。
- ●スリップ事故
- ●ホワイトアウト
- ●スタック
- ●積もった雪が落下する
スリップ事故
トラックに限らず、雪道での運転はタイヤが滑りやすくなり、スリップ事故の危険性があります。
トラックの場合は、乗用車に比べてサイズも大きく総重量も重いです。そのためスリップ事故を起こすと、周りの車両への被害が大きくなります。
また、ブレーキをかけてから止まるまでの制動距離は、トラックの重量やスピードが関係してきますが、雪道だと危険性が増します。
ホワイトアウト
吹雪や大雪のなかでの運転となると、ホワイトアウトになる可能性があります。ホワイトアウトとは、雪によって視界が奪われてしまう気象現象です。
ホワイトアウトになると視界が奪われるため、多重事故が発生してしまいます。そのため、ホワイトアウトで視界不良になったら、安全な場所で停車して、天候の回復を待ってください。どうしても運転する際は、車間距離を十分に空けてスピードを落として走行しましょう。
スタック
スタックとは雪にハマったタイヤが、空転して車両が動かせなくなる現象です。雪道でアクセルを急に踏み込むと、雪道とタイヤの間に摩擦がなくなってしまい、トラックのスタックに繋がります。
積もった雪が落下する
トラックには荷台があり、乗用車より面積があるため雪が積もりやすいです。たとえば荷台に積もった雪が走行中に落下すると、周辺の車に迷惑をかける危険性があります。
また、キャビンに積もった雪が、ブレーキをかけたときや走行中に滑り落ちてくると、視界を防いで危険です。
【事前準備】トラックの雪道対策
![](/safety-life-media/cmms/ownedmedia/upload/truck_snowy_road1.jpg)
トラックの雪道対策として、運転前の準備が大切です。事前準備としては、主に次の4つを行ってください。
- ●スタッドレスタイヤへの交換
- ●タイヤチェーンの用意
- ●スコップなどの雪かき道具の用意
- ●ガソリンを満タンにしておく
スタッドレスタイヤへの交換
雪道を運転する際は、スタッドレスタイヤに履き替えるのがベストです。長距離運転の場合、トラックは山道や寒冷地を運転する場合があります。
雪が降らなくても、気温低下で路面凍結している可能性が高いので、冬はスタッドレスタイヤに履き替えておきましょう。
スタッドレスタイヤは、摩擦が少ない雪道や路面凍結でも、しっかりと地面を捉えて安全に運転することができます。
タイヤチェーンの用意
スタッドレスタイヤに履き替えたとしても、タイヤチェーンはトラックに用意しておいてください。
なぜならば、スタッドレスタイヤを装着している車両でも、「チェーン規制」が出た場合は、その道路を走行できません。
タイヤチェーンには金属タイプ、ウレタンやゴム製の非金属タイプ、オートソックといった布製カバータイプがあります。
重量のあるトラックには、金属のケーブルチェーンがおすすめです。耐久性があり価格が比較的安いため、気軽に準備することができます。
スコップなどの雪かき道具の用意
サービスエリアなどで30分以上の休憩を確保する場合、大雪が降っているとキャビンや荷台に雪が積もることがあります。
その状態で運転を再開すると、ブレーキをかけた際にキャビンからフロントガラスに雪が落ちて、視界が遮られるため危険です。また、荷台から雪が落ちて、周りの車に迷惑をかける場合があります。
そのためはスコップや軍手、長靴など雪かき道具を準備しておくことが大切です。また、タイヤがスタックした際は、脱出する際に役立ちます。
ガソリンを満タンにしておく
冬場は、突然の大雪に見舞われる可能性があります。大雪になるとスピードも出せないため、立ち往生するかもしれません。立ち往生してガス欠にならないよう、ガソリンは満タンにしておいてください。
雪道運転で注意したい場所
雪道運転で注意したい場所は、次の5つです。
- ●峠道
- ●長い坂道
- ●トンネルの出入口
- ●橋の上
- ●早朝の舗装路
峠道
山間部など峠道は、日陰が多いため凍結しやすい場所です。また急カーブも多く、非常に滑りやすくなっています。山間部は気温や天気の変化も激しいため、特に注意しましょう。
長い坂道
雪が積もった長い坂道では、車の荷重が4つのタイヤに均等にかからなくなり危険です。
上り坂では前輪の負荷が軽くなり、ハンドル操作に影響します。また、凍結した下り坂ではスリップしてしまうとハンドルが効かず、止まれない危険性があります。
雪が積もった長い坂道では、ブレーキを上手に使ってゆっくりと慎重に運転してください。
トンネルの出入口
トンネルの出入口は基本的には減速ですが、雪道ではさらに注意しなければいけません。特に雪が降ると、山からの吹きさらしの風の影響で凍結しやすくなります。
そのためトンネルの出入口では、トラックのスピードを一層緩めて走行してください。トンネル内でタイヤが濡れた状態で出ようとすると、急な路面変化によって車両の姿勢を崩してしまうこともあります。
橋の上
橋の上は遮るものがなく風にさらされているため、路面は凍結しやすくなっています。冷え込みの厳しい朝晩は特に凍結しやすいので、橋の上を走行する際は一層スピードを落として渡ってください。
早朝の舗装路
早朝の舗装路は、想像以上に滑りやすくなっている場合があり、凍結した路面に雪が積もると、一段と滑りやすくなります。
また停止線付近は、ブレーキや発進が繰り返し行われているため、凍結した路面が磨かれたようにツルツルになっている場合があります。そのため、停止線を示す標識よりも、少し手前で止まるように心掛けてください。
雪道の走り方
雪道の走り方は、次の3つを意識してください。
- ●スピードを抑える
- ●車間距離を十分に確保する
- ●急発進や急ブレーキはNG
スピードを抑える
たとえスタッドレスタイヤを履いていたとしても、雪道でスピードを出すとスリップ事故に繋がります。そのため、雪道ではスピードを十分に抑えて運転してください。カーブを曲がる際もゆるやかに走行して、余裕と持った運転を心がけましょう。
急発進や急ブレーキはNG
雪道では急発進や急ブレーキ、急加速など〝急〟のついた運転はNGです。雪道ではタイヤと路面の摩擦力が低下しているため、スタッドレスタイヤを履いていても、車の安定性には気を配る必要があります。
急発進や急ブレーキ、急加速をすると、タイヤが滑って前に進むことが困難になったり、ブレーキが上手く作動せず止まりたい箇所で止まることができません。
車間距離を十分に確保する
スピードを抑えて急加速ができない状態では、車間距離を十分に確保することも大切です。
たとえば、自分ではなく前の車がスリップした場合、車間距離が十分に確保できれば、事故を回避できる可能性が高くなります。
まとめ
雪道ではスリップ事故やホワイトアウトの危険性があり、トラックが事故を起こすと周囲への被害が大きくなります。
雪道運転する際は事前準備をしっかりとして、危険な場所を把握しながら、いつも以上の安全運転を心掛けてください。