2021.12.13
飲酒対策
白ナンバーの飲酒検査義務化で何が変わる?安全運転管理者のすべきことまとめ
目次
2021年6月、千葉県八街市で小学生5人が飲酒運転の白ナンバートラックにはねられ死傷した事故が発生しました。
この事故を受け、国家公安委員会と警視庁警察庁は道路交通法を改正し、飲酒運転撲滅に向けて規則を強化。安全運転管理者の業務を拡充する形でアルコールチェックの義務化に関する法令を公布しました(2021年11月)
事業者は1事業所につき業務に使用する車両が5台以上もしくは定員11名以上の車両を1台以上使用する場合、安全運転管理者の選任義務がありましたが、今回の法改正により安全運転管理者の業務が増えた形となります。安全運転管理者は自動車の安全な運転を確保するために、事業所等の業務に従事している運転者に対する安全教育や、自動車の安全な運転に必要な業務を行う必要がありますがその業務の一つとして運転者の運転前後のアルコールチェックが加わる形となります。
※追記(2022年9月15日)
警察庁は2022年9月15日、2022年10月から実施する方針だったアルコール検知器を使用したアルコールチェックの義務化を、当面の間延期とする発表を行いました。
ただし、2022年4月から事業者が運転者の「目視による酒気帯びの有無」を確認し、その記録を1年間保存する取り組みは当初の方針通り始めるようです。
ここでは、一定台数以上の白ナンバー車両を所有する事業者の飲酒検査義務化について解説しながら、安全運転管理者がすべきことについて解説していきます。
白ナンバーの事業者も飲酒検査が義務化へ
有償で人物や物品を運ぶ「緑ナンバー」の事業者はもともと、貨物自動車運送事業法によってアルコール検知器を用いた飲酒検査が義務付けられています。
緑ナンバーを所有している事業所の安全運転管理者にあたる運行管理者が点呼を実施しないだけで、車両の使用が禁じられる罰則が設けられています。
対して「白ナンバー」を5台以上か、定員11人以上の車を1台以上保有する事業所には、安全運転管理者を選任し、飲酒状況を確認することが求められているものの、どのように検査を行うかについては規定されていませんでした。
今回の道路交通法の改正では白ナンバーの飲酒検査が義務化され、検査内容を記録後1年間保存することが定められます。
この検査を怠った場合、直接の罰則はありませんが、安全運転管理者が解任される可能性があります。
また、業務中の飲酒運転を検挙した場合は、安全運転管理者業務についても捜査するといった通達が警察庁から出ております。社会的制裁の面でも経営への影響が大きいです。
今回の改正で、白ナンバー事業者はこれまで以上に徹底した安全運転管理を行う必要があります。アルコール検知器の義務化まではまだ時間がありますので、安全運転管理の体制の見直しと整備をしっかりと行っておきましょう。
飲酒検査義務化に向けて安全運転管理者がすべきこと
事業所における安全運転管理者は、運転者の状況把握や、安全運転を行って行くための指示や指導を行うことが定められています。
今回の検査義務化における安全運転管理者に追加で求められる責務は以下の通りです。
- ●運転前および運転後、運転者に対し、目視とアルコール検知器の使用で酒気帯びの有無を確認すること。
- ●目視およびアルコール検知器による確認記録は、デジタルデータまたは日誌等で1年間保管すること。
- ●正常に機能するアルコール検知器の常備、保管をすること。
これらを踏まえ、安全管理者が担うべき責務として最も重要なのは、運転者に酒が残っていないかを正しくチェックすることです。
正常に機能する精度の高いアルコール検知器を使用し、運転者の状態を正確に把握しておく必要があります。
アルコール検知器の使用において安全運転管理者が行うべきこととしては、
- ●アルコール検知器の備え付け
- ●点呼時の検知器の使用
- ●運転者の状態把握
- ●検知器の管理
以上の4点が強く求められてきます。
アルコール検知器の備え付け
安全運転管理者は、営業所ごとにアルコール検知器を備えるほか、遠隔地で乗務を終了または開始する場合には、運転者に携帯型のアルコール検知器を携行させてください。
点呼時のアルコール検知器の使用
乗務の開始前または終了後等において実施する点呼の際、
- ●運転者の顔色
- ●呼気の臭い
- ●応答の声の調子
これらを目視等で確認するとともに、アルコール検知器を用いて運転者の酒気帯びの有無を確認してください。
自動車に設置されているアルコール検知器を使用させる場合は、運転者が所属営業所を出発する前に実施してください。
アルコール検知器の保守・管理
安全運転管理者は、設置したアルコール検知器を故障・損傷がない状態で保持しておかなければなりません。
アルコール検知器の取扱説明書に基づいた適切な使用と管理、保守をしていくとともに、毎日「電源が確実に入ること」と「検知器に損傷がないこと」の確認を徹底してください。
あわせて検知器が正常に動いているかどうか、週1回以上の確認を行いましょう。
[確認方法の例]
①酒気を帯びていない者にアルコール検知器を使用
この時、検知器がアルコールを検知しなければ正常に機能していると言えます。
②アルコールを含有する液体を口内に噴霧し、アルコール検知器を使用
この時、検知器がアルコールを検知すれば正常に機能していると言えます。
精度の高いアルコール検知器の使用を
白ナンバーの飲酒検査義務化へ向け、業界ではアルコール検知器の存在が注目を集めています。
アルコール検知器の製造や販売に携わる企業で構成されている「アルコール検知器協議会」では、品質向上のために外部の機関が試験で検定する制度を設けています。
運転者の飲酒運転を防止するために欠かせなくなってくる「アルコール検知器」は、品質や精度が高いことに越したことはありません。
アルコール検知器「ソシアック」の特徴
中央自動車工業株式会社が取り扱うアルコール検知器「ソシアック」は、全てのシリーズの機種においてアルコール検知器協議会の「認定合格証」を取得しており、品質の高さを裏付けています。
- ●3万以上の企業や官公庁からの採用実績
- ●「ソシアック」をもとに開発された飲酒検問用アルコール検知器は、100以上の警察署で第一次検査用に使用されている
- ●シリーズ全機種において、日本製のセンサーを採用
- ●スタンダード、ハイグレード、PC連携タイプなど、ニーズに応じたラインナップ
同社は、全日本交通安全協会と連携しながら安全運転管理者の講習会も行っています。
ソシアック公式HP:https://www.sociac.jp/