2024.09.30

飲酒対策

ドローンの飲酒運転はNG!罰則や書類送検された例を紹介

近年では、ドローンの浸透が色んな分野で進んでいます。農業ではドローンで農薬や肥料を散布するなど、仕事での実用化が進んでいます。物流業界でも、将来的にドローンが身近な道具になるかもしれません。
 
私たちの生活に、身近な存在になりつつあるドローンですが、飲酒した状態で飛行させると、罰則があることをご存知でしょうか?
 
この記事では、飲酒してドローン操作をした場合の罰則、過去にドローンの飲酒運転で書類送検された件について解説していきます。

目次

飲酒してのドローン飛行は禁止されている

自動車や歩行者の交通に関する法律は「道路交通法」で定められていますが、ドローンに関する法律としては「航空法」、「小型無人機等飛行禁止法(正式法律名は、「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律)」、「電波法」などが関係しています。
 
その中で、飲酒や薬物などによって、正常な状態でドローンを操縦できない状態での飛行は、航空法により罰則の対象になります。
 
飲酒を含めて、以下のドローン飛行は禁止されているので参考にしてください。
 

  • ●飛行禁止空域での飛行(国会議事堂、原子力事業所など)
  • ●飲酒時の飛行
  • ●危険な飛行
  • ●夜間での飛行
  • ●目視外での飛行
  • ●距離を確保しない飛行
  • ●催し場所での飛行
  • ●危険物輸送
  • ●物件投下
  • ●国土交通省への無許可・無承認での飛行
  • ●人家密集地域(DID)での飛行
など。
出典:ドローンの飛行ルール|国土交通省

飲酒してドローンを操作したときの罰則

アルコールまたは薬物の影響下でドローンを飛行させた場合には「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」です。これは「航空法第157条の8」により定められています。

 
この飲酒等飛行の禁止規定の対象になるのは「機体重量100g以上の無人航空機(機体本体の重量+バッテリー)」ということです。したがってドローン以外にも、ラジコン機や農薬散布用ヘリコプターなども該当します。
 
以前の航空法では、「機体重量200g以上の無人航空機」が規制の対象でした。しかし、2022年から規制の対象が、「機体重量100g以上」に変更されています。法改正によって、現在では多くのドローンが規制対象となりました。

なお、「小型無人機等飛行禁止法」により飛行禁止空域が規制されている場合には、機体重量にかかわらず全てのドローン等が飛行禁止になります。 

酒の影響で正常な飛行ができない恐れがある間は、ドローンをしっかりとコントロールすることができません。ドローンが予期せぬ方向へ飛んでいき結果的に他人の生命・身体、財産に損害を与える危険性が高まります。

ドローンの飲酒運転で書類送検された例

2022年に新潟県で、ドローンの飲酒運転で書類送検される出来事がありました。
 
飲酒した状態で夜間にドローンを飛ばしたなどとして、新潟市北区に住む47歳の男性が航空法違反の疑いで、新潟地方検察庁に書類送検されています。調べに対して男性は「夜景を見たかった」と供述して、容疑を認めていたとのことです。
 
出典:ドローンで「夜景を見たかった」 飲酒して飛行させた疑いで書類送検 [新潟県]|朝日新聞
 
ちなみに飲酒運転を含めて、この男性は以下の航空法に抵触していました。
 

  • ●飲酒運転
  • ●夜間飛行
  • ●無許可での飛行
 
飲酒運転と同様に、ドローンは夜間の飛行が禁止されています。また、その後の捜査で男性が計2回、国の許可を得ないまま夜間に飛行させたことも判明しました。

ドローンが墜落したらどうなる?

2023年7月に大分県九重町で、飛行中のドローンが操縦者に接触して、右手を骨折するという事故が発生しました。
 

大分県九重町で2023年7月、訓練飛行中のドローンが操縦者に接触し、右手骨折の重傷を負った事故で、運輸安全委員会は29日、機体との安全な距離を意識せずに操縦したのが原因とする調査報告書を公表した。発生時、国土交通省が初の無人航空機による事故と認定。安全委が無人機事故の報告書を出すのも初となる。
 
報告書によると、機体は回転翼航空機(マルチローター)と呼ばれるタイプで、操縦者は農薬散布の練習をするため、約10リットルの水をタンクに入れた状態で離陸させた。自動操縦モードで飛行中、道路標識用の支柱に近すぎると感じ、手動で停止するよう操作したが支柱に衝突、操縦者と接触し墜落した。
 
出典:初のドローン事故で報告書 安全な距離意識せず操縦 | 共同通信
 
これは無人航空機による事故を、国土交通省が初めて認定したケースです。2024年8月現在、ドローンの飲酒運転による事故は、今のところ発表の確認がありません。
 
このドローンは、約10リットルの水をタンクに入れた状態だったため、右手骨折という重傷に繋がったと言えます。
 
航空法で定めるドローンはその重量が100g以上ですが、例えば100gであったとしても、機体が主にアルミやカーボンで作られており、地上数メートル〜数十メートルの高さから落下すると威力は大きいです。
 
飲酒状態で飛行すると、コントロールを失って墜落する危険性が高くなります。ドローンを操作する際は航空法等を遵守して、安全な飛行を心掛けてください。

まとめ

農業ではドローンで農薬や肥料を散布するなど、仕事での実用化が進んでいます。物流業界でも、ドローンによる無人集配等の実証実験などが行われており、将来的にドローンが身近なツールになるかもしれません。飲酒運転はもちろんNGですが、その他の禁止事項など、ドローンには複数の法律が関係していますので今から理解しておきましょう。

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