2025.01.23
飲酒対策
酒気帯び運転で捕まったら?初犯で捕まった場合の流れと対応
飲酒運転の検挙数は年々減少傾向にありますが、それでも0件になることはありません。軽い気持ちで酒気帯び運転をしていまい、捕まってしまったら、どういう流れで罰則がくだされるのでしょうか?初犯と再犯では流れ、罰則が違うのでしょうか?
言うまでもなく酒気帯び運転、飲酒運転は犯罪です。今回の記事では、もしも酒気帯び運転で検挙された場合の流れ、初犯ではどんな罰則がくだされるのか、について解説していきます。
目次
酒気帯び運転、初犯の流れ
酒気帯び運転と警察に判断されると、基本的には逮捕から刑事裁判の流れです。ただし、初犯の場合は裁判所に出廷するのではなく、「略式起訴」になるのが一般的です。
基本的には逮捕から刑事裁判の流れ
酒気帯び運転の場合、ほとんどが現行犯での逮捕です。また、たまにですが後日逮捕される可能性もあります。
初犯であれ再犯であれ、酒気帯び運転で逮捕されたときの流れは次の通りです。
- 1.警察段階の取調べが実施される
- 2.送検される
- 3.検察段階の取調べが実施される
- 4.検察官が公訴提起するか否かを判断する
- 5.刑事裁判にかけられる
初犯の場合は「略式起訴」が一般的
酒気帯び運転でも初犯の場合は、裁判所が簡易な手続きで罰金刑を科す「略式起訴」にかけられるのが一般的です。略式起訴となれば、被告人は裁判所に出廷する必要がありません。
検察段階の取調べが実施されて、検察官が本人から書面による同意を得ることで略式裁判が行われます。
再犯であったり、酒気帯び運転による被害者がいたりする場合は「正式起訴」となり、裁判所での公開裁判が行われます。
悪質でない場合は逮捕を回避できる?
逮捕処分を行うためには「逮捕の必要性」を満たす必要があり、警察に飲酒運転が発覚しても「逮捕の必要性がない」と判断されれば、逮捕は回避できます。
飲酒運転は、検問や職務質問をきっかけに発覚することがほとんどですが、被疑者側の対応次第では逮捕を回避できる可能性はあります。
【逮捕処分がされない可能性や条件】
- ●名前や住所、職業が明らかになっている
- ●「逃亡の恐れがない」と判断される
- ●完全初犯で、前科や前歴がない
- ●アルコール含有量が低い、基準値を下回っている
- ●飲酒運転はしたが事故は起こしていない
- ●飲酒運転で事故は起こしたが、損害が軽微である
- ●飲酒運転で事故は起こしたが、被害者との示談が成立した
- ●事情聴取に対して誠実に応じた
- ●同乗者や車両提供者との間で口裏を合わせる心配がない
これらの条件にいくつか該当すると、身柄拘束処分は回避できます。そして、飲酒運転事件が任意捜査の対象になり、在宅事件として扱われます。
在宅事件として扱われると、警察から出頭要請がかかったタイミングで事情聴取に応じて、取調べが終了すれば自宅に帰ることができます。事情聴取の日程なども、警察と相談することが可能です。
刑事裁判にかけられるかは検察の判断次第
刑事裁判にかけられるかどうかは、検察の判断次第と言えます。起訴処分になると刑事裁判にかけられて、有罪が確定的です。不起訴処分を獲得できた場合は、有罪になる可能性は消滅し、前科のリスクもなくなります。
起訴処分になるか不起訴処分になるかは、検察の判断次第でハードルが高いです。
- ●飲酒運転が初犯であり前科もない
- ●特に被害者も存在しない
- ●取り調べに対して誠実に応じた
- ●弁護士のサポートがあった
これらの条件が噛み合うことで、不起訴処分になる可能性が出てくるでしょう。
酒気帯び運転の罰則
こちらでは、飲酒運転の罰則について解説していきます。
【罰則】3年以下の懲役、または50万円以下の罰金
酒気帯び運転の罰則は「3年以下の懲役、または50万円以下の罰金」です。免許停止か取り消しかは、呼気中アルコール濃度により変わりますが、罰則は変わりません。
違反種別 | 罰則 | 違反点数 |
酒気帯び運転① 呼気中アルコール濃度 0.25mg以上 |
3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金 |
25点 |
酒気帯び運転② 呼気中アルコール濃度 0.15mg以上0.25mg 未満 |
同上 | 13点 |
ちなみに初犯の場合は略式起訴がほとんどで、懲役刑よりも罰金刑になる場合が多いです。
【免許】初犯の場合、免許停止は90日が原則
酒気帯び運転で初犯の場合、呼気中アルコール濃度が0.15mg以上、0.25mg未満であれば、免許停止90日間が原則です。
ちなみに、呼気中アルコール濃度が0.25mg以上となると、初犯でも一発で「免許取り消し」になります。
初犯の場合、免許停止は90日ですが、前歴が1回ある場合は120日、2回の場合は180日と、回数に応じて停止期間が長くなります。
ちなみに、前科と前歴は違います。前科とは、有罪判決を受けたという事実が過去にあり、懲役刑や罰金刑を受けると、前科が1つ付きます。
前歴は不起訴になったとしても付くので、仮に不起訴処分を取れたとしても、前歴は1つ付きます。
酒気帯び運転の罰金はいつ払うのか?
初犯の場合は略式起訴がほとんどで、罰金刑になるのが一般的です。罰金の支払いについてですが、略式起訴にかけられると、検察庁から罰金の納付書が届きます。
納付書が届くのは、略式命令が届いてから約1週間後です。略式命令に不服がなければ罰金を一括で支払って手続きは終了となります。
まとめ
酒気帯び運転をしたとしても、初犯であれば取り調べに対して誠実に応じたり、弁護士のサポートを受けたりすることで、量刑が軽くなるかもしれません。また、場合によっては不起訴処分になり、前科が付かないこともあるでしょう。
ただし、そもそも飲酒運転自体、絶対にやってはいけないことです。どんなにお酒に強いと言っても判断能力や運転技術が鈍り、事故に繋がるリスクが高くなります。
被害者を出せばその人の人生はもちろんのこと、自分や家族、被害者家族など周囲の人生を大きく狂わせます。
安全な交通社会を維持するために、飲酒運転の根絶は必要不可欠なので、お酒を飲んでの運転は絶対にやめましょう。