2026.07.08
飲酒対策
アルコールチェック義務化対象と罰則は?企業が必要な対応を解説

法改正によって2022年から義務化されているアルコールチェックは、どのような企業や事業所が対象なのでしょうか。また、違反すると企業・事業所にどのような罰則が科されるのか、気になっている担当者もいるかもしれません。
この記事では、アルコールチェック義務化対象と罰則のほか、企業や事業所にとって必要な対応について解説します。
目次
アルコールチェックが義務化となった理由
企業にアルコールチェックが義務化されたのは、2021年に千葉県で発生した事故がきっかけです。この事故では、業務中に酒気帯び運転をしていた運転者によって、複数の児童が死傷する重大な事態となりました。
このときに事故を起こしたのは、事業用自動車(緑色ナンバー)ではなく、自社の荷物を運んでいた自家用自動車(白色ナンバー)のトラック。当時、緑色ナンバー車には貨物自動車運送事業法にもとづくアルコールチェック義務があったものの、道路交通法にもとづいた白色ナンバー車は、その義務がありませんでした。また、当該企業の親会社では、社内の安全運転を推進する立場である「安全運転管理者」も長く選任されていませんでした。
こうしたことから、酒気帯び運転による同様の事故を未然に防ぐため、一定台数以上の白色ナンバー車を使用する企業・事業所にも、アルコールチェックが義務化されることになったのです。
そこで、2022年4月に道路交通法が改正され、対象企業の安全運転管理者は、運転業務に従事する従業員に対し、運転前後の酒気帯び有無について目視確認が求められるようになりました。また、その記録の保存が義務付けられています。さらに、2023年12月には道路交通法施行規則が改正され、安全運転管理者によるアルコールチェッカー(アルコール検知器)の使用が義務化されました。
アルコールチェック義務化の対象
2023年からアルコールチェック義務化の対象となったのは、下記のような台数の白色ナンバー車を使用する企業・事業所です。
<アルコールチェック義務化の対象となる企業・事業所>
- ・乗車定員11人以上の白色ナンバー車を、1台以上使用
- ・その他の白色ナンバー車を、5台以上使用
このような企業・事業所では、車の使用の本拠(事業所など)ごとに、安全運転管理者を選任しなければなりません。その上で、安全運転管理者が運転業務に従事する従業員に対し、アルコールチェックを実施します。
アルコールチェック義務に違反したときの罰則
企業や事業所が義務化されているアルコールチェックを怠ったり、従業員に酒気帯び運転をさせてしまったりした場合、どのようなペナルティが科されるのでしょうか。ここでは、アルコールチェック義務化に違反したときの罰則について解説します。
企業・事業所に対する罰則
従業員がアルコールチェックを実施しなかったり、安全運転管理者がその記録を保存しなかったりしても、現時点で企業・事業所が直接的に罰則を受けることはありません。
ただし、アルコールチェックを実施する安全運転管理者に関しては、選任や解任などについて違反すると企業・事業所に下記のような罰則が科されることになります。
<安全運転管理者に関して違反した企業・事業所に対する罰則>
- ・安全運転管理者等の選任義務違反:50万円以下の罰金
- ・都道府県公安委員会による安全運転管理者等の解任等命令違反:50万円以下の罰金
- ・都道府県公安委員会による是正措置命令違反:50万円以下の罰金
- ・安全運転管理者等の選任・解任時の届出義務違反:5万円以下の罰金
運転者に対する罰則
義務となっているアルコールチェックを故意に実施しなかったり、うっかり忘れたりして従業員が車を運転しても、直接的な罰則は設けられていないのが現状です。ただし、運転者が飲酒運転を行った場合には、下記のような罰則を受けることになります。
■飲酒運転の運転者に対する罰則
| 飲酒運転の種類 | 刑事処分 | 行政処分(違反点数) |
|---|---|---|
| 酒酔い運転 | 5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金 | 35点 |
| 酒気帯び運転 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | ・呼気1L中のアルコール濃度 0.25mg以上:25点 ・呼気1L中のアルコール濃度 0.15mg以上0.25mg未満:13点 |
酒酔い運転とは、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態を指します。また、従業員がアルコールチェックを行わずに飲酒運転を行った場合には、その車両の提供者である企業・事業所に対しても、運転者と同じ罰則が科されることになるので注意が必要です。
同乗者に対する罰則
アルコールチェック義務に違反した運転者の車に同乗者がいた場合、同乗者に対する罰則はありません。しかし、運転者が飲酒運転を行った場合には、その同乗者も下記の罪に問われることになるでしょう。
■飲酒運転の同乗者に対する罰則 0.25mg以上:25点
・呼気1L中のアルコール濃度
0.15mg以上0.25mg未満:13点
| 飲酒運転の種類 | 刑事処分 |
|---|---|
| 酒酔い運転 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 酒気帯び運転 | 2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金 |
アルコールチェック義務化に伴って必要な対応
法律で定められたアルコールチェック義務化に対し、企業・事業所はどのように対応すべきなのかを押さえておきましょう。ここでは、アルコールチェック義務化に伴って必要な対応について解説します。
安全運転管理者を選ぶ
アルコールチェック義務化に伴って必要な対応として、まず安全運転管理者を選ぶことが挙げられます。企業・事業所では下記要件を満たした安全運転管理者を選任し、15日以内に都道府県公安委員会への届け出を行いましょう。
<安全運転管理者に求められる要件>
- ・20歳以上(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上)の者
- ・自動車の運転の管理に関し2年以上の実務の経験を有する者など
出典:警察庁「安全運転管理者制度の概要」
安全運転管理者は、運転業務に従事する従業員の酒気帯びの有無の確認などを行います。これは、直行直帰する従業員に対しても同様です。
高精度のアルコールチェッカーを導入する
アルコールチェック義務化に伴って企業・事業所に求められることとして、アルコールチェッカーを導入することも忘れてはならない対応です。アルコールチェッカーは精度の安定しない市販品ではなく、高精度な業務用アルコールチェッカーを選びましょう。
業務用アルコールチェッカーの選び方については、下記の記事もご覧ください。
業務用アルコールチェッカーの選び方とは?正しい使い方も解説
検査記録を保管する
アルコールチェック義務化では、検査記録をきちんと保管することも必要です。記録簿には、下記の項目を必ず記録し、1年間保管します。
<アルコールチェック記録簿の項目>
- ・確認者の氏名
- ・運転者の氏名
- ・運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
- ・確認の日時
- ・確認の方法(対面でない場合は具体的方法等)
- ・運転者の酒気帯びの有無
- ・指示事項
- ・その他必要な事項
なお、アルコールチェックの記録に関しては、スマートフォンのアプリから入力してクラウドに記録を保存できる便利なタイプがあります。
従業員教育を徹底する
従業員教育を徹底することも、アルコールチェック義務化に伴って企業・事業所が行うべき対応といえるでしょう。安全運転管理者を中心として、アルコールチェックの目的や重要性を研修によって従業員に認識させたり、安全に対する意識を高めたりする必要があります。
社内ルールを見直す
アルコールチェック義務化に伴い、これまでの社内ルールを見直すことも、企業や事業所によっては検討すべき対応といえます。
具体的には、就業規則を改定して、アルコールチェックを怠ったり飲酒運転をしたりした従業員に対する懲戒規定を設けること、また直行直帰時のアルコールチェックの手順を定めたりすることなどが挙げられるでしょう。
アルコールチェック実施時のポイント
企業や事業所でアルコールチェックを実施する際には、正しく適切なやり方で行わなければなりません。ここでは、アルコールチェックを実施するときのポイントについて解説します。
運転前後の2回実施する
アルコールチェックは、運転業務を担う従業員が業務を開始する前と、業務を終わったあとの2回の実施が、法律によって義務付けられています。運転業務前には従業員の酒気帯びの有無を、業務後には業務中に飲酒をして酒気帯び状態になっていないかどうかを確認するのがポイントです。
ちなみに、一日のうちに運転業務が複数回発生することもあるでしょう。具体的には、事業所と取引先のあいだを何度も往復するケースが挙げられます。また、運転業務のあいだに事業所での事務作業を挟むこともあります。
このような場合のアルコールチェックは、出勤時と退勤時の2回実施で差し支えありません。
安全運転管理者が対面で確認する
アルコールチェックは、原則として、安全運転管理者が対面かつ目視で実施する必要があります。この際には運転する従業員の顔色や呼気のにおいのほか、応答する声の調子などによって判断します。
ポイントは、安全運転管理者が不在だったり、従業員が直行直帰したりする場合です。安全運転管理者が不在の場合は、副安全運転管理者などが代行します。また、直行直帰の際には対面確認ができないため、ハンディ型アルコールチェッカーを使い、安全運転管理者がリアルタイムで確認を行います。
直行直帰時のアルコールチェックについては、下記の記事もご覧ください。
直行直帰時でもアルコールチェックは必要?方法とポイントを解説
緑色ナンバーの運送業では義務となっている点呼時に行う
緑色ナンバーの車両を使って運送業を営む下記のような企業の場合は、運転業務前・運転業務後などで義務付けられている「点呼」のタイミングで、アルコールチェックによる確認を行うことになっています。
<緑色ナンバーの車を使う運送事業者の種類>
- ・一般旅客自動車運送事業者
- ・特定旅客自動車運送事業者
- ・一般貨物自動車運送事業者
- ・特定貨物自動車運送事業者
- ・貨物軽自動車運送事業者
なお、緑色ナンバーのアルコールチェックに関しては、国家資格を有する運行管理者やその補助者が行うのがポイントです。
まとめ:アルコールチェック義務化に確実に対応しよう
義務化されたアルコールチェックは、企業や事業所で確実に対応する必要があります。対応の中で重要なのが、高精度の業務用アルコールチェッカーを選ぶことです。高精度を維持するためにはメンテナンスが必要なため、アフターフォローの体制が整ったメーカーのものを選びたいところです。
当社が取り扱うアルコール検知器「ソシアック」は、J-BAC(アルコール検知器協議会)の認定合格証を取得済です。また、触媒量が多くセンサー面積が大きい「ハイグレード電気化学式センサー」を採用しており、0.01mg/L単位の高精度でのアルコール検知や長寿命を実現しています。
さらに、Bluetooth搭載の「ソシアック・ネオ」と「ネオブルー」は多数のクラウド管理サービスと連携しており、企業の課題に合わせたご提案が可能です。
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ソシアック公式HP: https://www.sociac.jp/





