2024.08.29
飲酒対策
酒気帯び運転はビールを何杯飲んだら?少量でも飲酒運転はNG
現在では飲酒運転に対して、世の中の目が厳しくなっています。道路交通法における飲酒運転とは酒気帯び運転のことで、体内に一定基準以上のアルコールを保有して運転することです。では、その一定基準とはどれくらいの数値、お酒の量なのでしょうか?
この記事では、酒気帯び運転となるお酒の量、また酒気帯び運転について解説していきます。
目次
酒気帯び運転とは?
酒気帯び運転と飲酒量を解説する前に、こちらでは酒気帯び運転と酒酔い運転について説明します。
「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の違い
酒気帯び運転とは、体内に一定基準以上のアルコールを保有して運転することです。たとえお酒に酔った状態でないとしても、アルコール基準値に達して運転した時点で酒気帯び運転となり、処罰の対象になります。
酒酔い運転とは、酒に酔った状態で運転をすることです。まともに歩けない、意識がハッキリとしないなど、明らかに酔った状態で運転すると、酒気帯び運転よりも重い処分が下されます。
「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の罰則
酒気帯び運転と酒酔い運転の罰則については、下の表を参考にしてください。
違反種別 | 罰則 | 違反点数 | 行政処分 |
酒酔い運転 | 5年以下の懲役 または100万円以下の罰金 |
35点 | 免許取消し (欠格期間:3年) |
酒気帯び運転② 呼気中アルコール濃度0.25mg/l以上 |
3年以下の懲役 または50万円以下の罰金 |
25点 | 免許取消し (欠格期間:2年) |
酒気帯び運転① 呼気中アルコール濃度0.15mg/l以上0.25mg/l未満 |
同上 | 13点 | 免許停止 (停止期間:90日) ※前歴がある場合は免許取消し |
出典:みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」|警察庁Webサイト
酒気帯び運転とは、体内に一定基準以上のアルコールを保有して運転することです。そのため、呼気中アルコール濃度が多いと処分が重くなります。
酒気帯び運転は「ビール中瓶1本」
体内に一定基準以上のアルコールを保有したら、酒気帯び運転になります。では一定基準とは、どれほどの飲酒なのでしょうか?量にすると「ビール中瓶1本」と言われています。
道路交通法における、酒気帯び運転の基準値は「呼気中アルコール濃度は0.15mg/l」です。これを血中アルコール濃度に換算すると「0.3mg/ml(0.03%)」に当たります。
この量は、純アルコール20gを飲んだときの「血中アルコール濃度0.2mg/ml(0.02%)〜0.4mg/ml(0.04%)」に相当する数値です。
この数値を、お酒の量に換算すると以下の通りになります。
- ●ビール中瓶1本
- ●日本酒1合
- ●ウイスキーダブル1杯
- ●缶チューハイ1.5缶
お酒の量と、基準値に達する呼気中アルコール濃度は以上の通りですが、これより少ない量でも飲酒をしたら絶対に運転してはいけません。
少量でも「飲んだら乗るな」
たとえ、酒気帯び運転の基準値に達する呼気中アルコール濃度でないとしても、お酒を飲んでの運転はNGです。基準値を下回っていても、少量でも飲酒をすると運転技能に悪影響を及ぼす場合があります。
運転技能への悪影響 | 血中アルコール濃度 (mg/ml) |
呼気中アルコール濃度 (mg/l) |
注意の集中 | 0.05 | 0.025 |
反応時間 | 0.2 | 0.1 |
追跡技能 | 0.2 | 0.1 |
多方面への注意 | 0.2 | 0.1 |
ハンドル操作 | 0.3 | 0.15 |
視覚機能 (視線の固定が困難) |
0.4 | 0.2 |
規則遵守 | 0.5 | 0.25 |
出典:飲酒が運転に及ぼす影響|人とお酒のイイ関係
酒気帯び運転に値する、呼気中アルコール濃度0.15mg/l未満だとしても、注意の集中・反応時間・追跡技能が低下します。そのため、少量でも飲酒をしたら、運転をするのは絶対にNGです。
アルコールが身体から抜ける時間
少量の飲酒をしたあと、どれくらいの時間が経てば運転をしたら大丈夫なのでしょうか?こちらでは、アルコールが身体から抜ける時間について解説していきます。
アルコールが身体から抜ける時間の計算式
あくまで目安になりますが、アルコールが身体から抜ける時間の計算式が存在します。
- ●アルコール処理に要する時間=純アルコール量/g÷(体重/kg×0.1)
- ●アルコール処理に要する時間:3.33=純アルコール量:20g÷(60kg×0.1)
時間にすると約3時間20分、つまりアルコールが抜けるまで4時間ほど見ておいた方が良いです。
注意点として、これはあくまで目安の数値ということ。アルコールの分解能力は個人差があり、年齢によって異なります。計算で割り出した時間が過ぎたとしても、必ずアルコールが抜けるというわけではありません。
参考:アルコールの吸収と分解 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
酒の種類別、アルコールが身体から抜ける時間
計算式の項目で、ビール500mlを例にアルコールが身体から抜ける時間を導き出しました。そのほか、焼酎や日本酒など色んなお酒で、アルコールが身体から抜ける時間を出したので参考にしてください。
(体重60kgの方を基準にした数字)
酒の種類 | 飲酒量 | アルコール濃度 | 抜けるまでの時間 |
ビール | 缶1本(500ml) | 5% | 約4時間 |
焼酎 | ロック、グラス1杯(150ml) | 20% | 約4時間 |
日本酒 | 1合(180ml) | 15% | 約4時間 |
ワイン | グラス1杯(100ml) | 15% | 約2時間 |
ウイスキー | ロック、グラス1杯(150ml) | 40% | 約8時間 |
しつこいようですが、これはあくまで目安の数値です。アルコールの分解能力は、人によって異なります。目安の時間が過ぎたからといって、すぐに運転をするのはやめてください。
まとめ
今回は酒気帯び運転の基準値と、その基準値に達するお酒の量について解説しました。酒気帯び運転の基準値は、飲酒量にするとビール中瓶1本分と言われています。
基準値に達しない量だとしても、少しでも飲酒をしたら運転するのは絶対にやめましょう。
少量でも飲酒をすると、注意の集中・反応時間・追跡技能が低下して、運転能力に支障をきたします。