2024.08.29

運送業界

高速道路の割引とは?運送業者がお得になる割引も解説

現在、ETCを搭載した車両は、高速道路において割引サービスを受けることができます。中型・大型トラックに乗る運送業者も例に漏れず、この割引サービスの対象です。
 
しかし、なかには中型・大型トラックが対象外になる割引サービスがあったり、運送業者が利用した方がお得になったりするサービスが存在したりします。
 
この記事では高速道路の割引と、運送業者が利用するとお得になる割引サービスについて解説していきます。

目次

ETC搭載車両は高速道路の料金が割引になる

現在、ETCを搭載した車両は、NEXCO東日本・中日本・西日本の管轄内であれば、高速道路の料金が割引になるサービスがあります。
 
国土交通省の発表によると、令和6年4月現在のETC利用率は94.9%、ETC2.0の利用率は34.0%です。そのため、ほとんどのドライバーは高速道路の料金割引の対象ということになります。
 
参考:ETCの利用状況 - 国土交通省

高速道路の主な割引

普通自動車や中型・大型車両など、全ての車種で割引の対象となるのが「平日朝夕割引」と「深夜割引」です。こちらでは、それぞれの割引の内容について解説していきます。

平日朝夕割引

平日朝夕割引とは、高速料金が割引されるのではなく、1ヶ月の利用回数に応じてETCマイレージが還元されるサービスです。
 
適用条件やサービス内容については、下の表を参考にしてください。
 

車種 全ての車種が対象
日時 平日 6時~9時/17時~20時
割引 対象時間帯に走行すると、利用回数に応じてETCマイレージを翌月20日に還元(無料通行分)
 
・1ヶ月利用回数が5~9回で約30%
・1ヶ月利用回数が10回以上で約50%
条件 ・ETC車載器を取り付けている車両
・事前にETCマイレージサービスの登録が必要
道路 NEXCO3社が管理する、地方部の高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路
※東京・大阪近郊の区間は対象外
 
利用回数と還元率に関しては、毎月1日〜末日の1ヶ月ごとで切り替わり、翌月20日にETCマイレージサービスの還元額が付与されます。

深夜割引

深夜割引とは、毎日深夜0時〜4時の時間帯に料金が安くなるサービスです。適用条件やサービス内容については、下の表を参考にしてください。
 

車種 全ての車種が対象
日時 毎日深夜0時~4時
割引 高速料金30%割引
条件 ・ETC車載器を取り付けている車両
・ETCが整備されている入口インターチェンジをETC無線通信により走行
道路 NEXCO3社が管理する、全国の高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路
※京葉道路・第三京浜道路・横浜新道・横浜横須賀道路は割引の対象外
 
走行時間は、0〜4時に対象の高速道路を走行していれば、高速道路に入ったり出たりする時間は何時でも大丈夫です。

たとえば、「1時に高速道路に入り、3時30分に高速道路を出た。」「23時に高速道路に入り、3時に高速道路を出た。」このような場合でも、深夜割引の対象になります。

中型・大型・特大車両は「休日割引」の対象外

ここまで紹介した割引のほかに、高速道路には「休日割引」というものが存在します。この割引に関して、中型・大型・特大車両は対象外です。つまり、中型・大型トラックを運転するトラックドライバーの場合、この割引の恩恵を受けることができません。
 
対象外の理由については、NEXCO中日本の公式サイトで解答が出ています。
 

Q.休日割引は、なぜ中型・大型・特大車に適用されないのですか?
 
A.休日割引は、休日における観光振興を目的として導入しております。レジャー目的で高速道路をご利用されるお客さまの多くが「軽自動車等」「普通車」を使われていることから、「軽自動車等」「普通車」を対象として実施しております。
 
出典:休日割引は、なぜ中型・大型・特大車に適用されないのですか?|NEXCO中日本
 
つまり、あくまでレジャー目的で高速道路を使用してもらうことが目的なので、中型・大型トラックなどの運送業者の場合は対象外になるわけです。
 

運送業者には「大口・多頻度割引」の利用がおすすめ

高速道路の利用が多い運送業者は、「大口・多頻度割引」の利用がおすすめです。大口・多頻度割引とは、高速道路を頻繁に利用するドライバーを対象にしています。
 
NEXCO3社が定める要件を満たして、ETCコーポレートカードが貸与されれば、大口・多頻度割引の利用ができます。高速道路はもちろん、京葉道路や東京湾アクアラインも割引の対象です。

高速道路

高速道路の大口・多頻度割引には、「車両単位割引」と「契約単位割引」の、2つの割引タイプが存在します。
 

  車両単位割引 契約単位割引
対象 自動車1台につき 契約者
※高速国道の利用額が1ヶ月500万円超、かつ契約者の自動車1台あたりの平均利用額が1ヶ月3万円超
割引率 ・5,001円~10,000円:10%(20%)
・10,001円~30,000円:20%(30%)
・30,000円~:30%(40%)
 
10%
※( )内は、ETC2.0を使用する事業用車両(注)に限り適用される割引率です。(令和7年(2025年)3月末まで)
出典:高速道路の大口・多頻度割引 | ドラぷら(NEXCO東日本)
 

京葉道路、東京湾アクアライン

京葉道路や東京湾アクアラインも、高速道路と同様に大口・多頻度割引の対象です。また、ETC2.0に対応した車両の場合は圏央道や新湘南バイパス、伊勢湾岸自動車道(東海JCT~飛島JCT)も対象となります。
 
適用条件やサービス内容については、下の表を参考にしてください。
 

  車両単位割引 契約単位割引
対象 自動車1台につき 契約者
※高速国道の利用額が1ヶ月500万円超、かつ契約者の自動車1台あたりの平均利用額が1ヶ月3万円超
割引率 ・5,001円~10,000円:10%(20%)
・10,001円~30,000円:20%(30%)
・30,000円~:30%(40%)
5%
※( )内は、ETC2.0を使用する事業用車両(注)に限り適用される割引率です。(令和7年(2025年)3月末まで)
出典:高速道路の大口・多頻度割引 | ドラぷら(NEXCO東日本)

圏央道には「ETC2.0割引」がある

こちらは高速道路ではなく、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)限定のサービスになりますが、ETC2.0を搭載した車両には「ETC2.0割引」が適用されます。
 
ETC2.0とは、2016年春からスタートしたサービス、従来のETCよりも進化したものです。リアルタイムの渋滞情報を解析して最適なルートを示したり、災害発生時に通行可能な道路を知らせてくれたりします。
 
ETC2.0を搭載する車両は、圏央道(新湘南バイパスを含む)などを走行する際に、ETC2.0割引を受けることができます。適用条件やサービス内容については、下の表を参考にしてください。
 

車種 ETC2.0対応車載器を搭載した車両
日時 毎日
割引 高速自動車国道の普通区間の料金水準の料金に割引
※例:普通車の場合は24.6円/km
 
条件 ※走行距離や割引適用回数の制限なし
道路 圏央道(茅ヶ崎JCT~海老名JCT、海老名~木更津JCT)、新湘南バイパス(藤沢~茅ヶ崎JCT)

まとめ

今回は高速道路の割引と、運送業者が利用するとお得になる割引サービスについて解説してきました。
 
高速道路の利用が多い運送業者の場合、「大口・多頻度割引」の利用がおすすめです。ETC2.0を搭載した車両の場合、割引率がアップするので、積極的にETC2.0を導入しましょう。

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