2024.02.29
飲酒対策
ノンアルコール飲料なら飲酒運転にならない?捕まるケースがあるとしたら
飲酒状態における車両の運転は違法行為です。発覚した際には、法律に基づいた罰則や行政処分が下されます。では、ノンアルコール飲料は飲酒運転の対象なのでしょうか?
この記事では、ノンアルコール飲料の定義や法律的解釈、飲酒の際の注意点などについて解説します。
目次
ノンアルコール飲料の定義
ノンアルコール飲料は「清涼飲料水(ソフトドリンク)」に分類されますが、酒類と明確に差別化するための定義が存在します。
ノンアルコール飲料の定義 |
アルコール分「1%未満」で、味わいが酒類に類似しており、満20歳以上の者の飲用を想定・推奨しているもの |
アルコール飲料の定義 | アルコール分が1%以上の飲料 |
アルコール入りのノンアルコール飲料もある
現在では、完全なノンアルコール飲料(アルコール分0.00%の製品)も市場に多く出回っていますが、微量のアルコールを含む場合(1%未満)でも、ノンアルコール飲料として定義されます。
ノンアルコールだからといって、完全にアルコールが含まれていないわけではありません。ごく微量(0.00〜0.99%)のアルコールが含まれているノンアルコール商品には、注意が必要です。
宣伝や広告・表示に関する基準
ノンアルコール飲料をそのほかの清涼飲料水と差別化する基準としては、宣伝や広告・表示に関する制約が挙げられます。主な基準は以下の通りです。
- ●20歳未満の者を広告に使用しない
- ●20歳未満の者に求心力のあるタレントやモデル等を広告に使用しない
- ●酒類と誤認させる表現は使用しない
- ●製品には20歳以上の者を対象としている旨を表示する
- ●アルコール飲料と誤認するような名前や表記は使用しない
など
酒気帯び運転の法定基準
飲酒に関する法律の規定を確認していきましょう。飲酒運転は「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2種類に分けられます。
それぞれの違反には、呼気中のアルコール濃度に違いがあります。ノンアルコール飲料によって飲酒運転に該当するとすれば、酒気帯び運転の可能性が高いでしょう。酒気帯び運転の具体的な罰則基準は以下の通りです。
運転者に対する処罰
酒気帯び運転における呼気1リットル中のアルコール濃度 | 罰則 | 点数 | 行政処分 |
0.15mg以上〜0.25mg未満 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 | 13点 | 免許停止(停止期間90日) ※前歴がある場合は免許取り消し |
0.25mg以上 | 25点 | 免許取り消し(欠格期間2年) |
ノンアルコール飲料でも飲酒運転は成立する
法律に抵触するのは、上記の基準を満たした場合です。アルコール・ノンアルコールの区別は関係ありません。どのような経緯であれ、体内から基準以上のアルコール分が検出されれば飲酒運転として検挙されます。
特にノンアルコール飲料の場合には、本人や周囲の人間にも飲酒の意識がない場合が多いでしょう。知らずに飲んでいたノンアルコール飲料により、飲酒運転で捕まってしまう可能性もあるのです。
ノンアルコールビールの注意点
一概にノンアルコールビールといっても、製品によっては微量のアルコールが含まれていることは上述しました。例えば、アルコール分が0.9%のノンアルコール飲料を大量に摂取した場合、体内のアルコール濃度が酒気帯び運転の検挙対象になってしまう可能性は否定できません。
ノンアルコール飲料による飲酒運転を防止するためには、以下の点に注意しましょう。
アルコール分の表示をチェック
運転前にノンアルコール飲料を選ぶ際には、アルコール分の表示をチェックしましょう。アルコール分表示は、端数が切り捨てになっています。「0%」と表示されているノンアルコール飲料であっても、「0.1〜0.9%」のアルコールが含まれている可能性があるのです。
アルコール分を確認できない飲料は避ける
飲食店で提供されるノンアルコール製品など、アルコール濃度を確認できない環境における摂取にも注意が必要です。グラスやコップに注がれたノンアルコールビールやカクテルなどは、アルコール濃度がわかりません。微量のアルコールが含まれている可能性を念頭に入れておきましょう。
運転前にノンアルコール飲料を楽しむには
安全にノンアルコール飲料を楽しむためには、以下の方法を実践してください。
アルコール分が「0.00%」の製品を選ぶ
ノンアルコールビールの中でも、アルコール分が「0.00%」と表示されている商品に関してはほぼ安全です。アルコールが一切含有されていないため、体内のアルコール濃度が上昇する心配はありません。運転前に摂取するノンアルコール飲料には、アルコール分が「0.00%」の製品を選択しましょう。
アルコールチェッカーを使用する
体内のアルコール濃度が気になる際には、体内のアルコール濃度を計測できる機器(アルコールチェッカー)を使用する方法があります。
現在の法律ではプライベート時の運転にアルコールチェックの義務はありませんが、確実に飲酒の有無を判断するためには有意義な選択です。
ノンアルコール飲料でも運転中の摂取は控えよう
アルコール分が「0.00%」の製品はほぼ安全ですが、確実な方法はノンアルコール飲料を摂取しないことです。運転前や運転中のノンアルコール飲料の摂取には、いくつかのリスクがあります。
空酔い現象
人間の体は、アルコールを摂取していないにも関わらず酔ったような状態に陥ることがあります。「ノンアルコール飲料の味や香りが酒類を連想させるため脳がアルコールと錯覚してしまう」、「アルコールだと期待して飲むことで酔ったような状態になる」などが主な理由として挙げられています。
いわゆる「空酔い」と呼ばれる上記のような現象が、自分の身に起きないとは言い切れません。アルコールの影響を確実に排除するためには、摂取自体を控えましょう。
警察による職務質問
酒類とノンアルコール飲料を区別するためには、製品のラベルや品質表示を確認しなければなりません。運転中にノンアルコール飲料を摂取していた場合、警察などから飲酒運転の疑いをかけられてしまう可能性があります。
余計な疑いをかけられないためにも、運転中のノンアルコール飲料摂取は控えたほうが無難でしょう。
まとめ
ノンアルコール飲料を摂取し、車両の運転をする行為自体に違法性はありません。ただし、ノンアルコール飲料の中には、微量にアルコールが含まれている製品があります。摂取量や健康状態次第では、飲酒運転に該当してしまう可能性は否定できません。運転前や運転中のノンアルコール飲料摂取には、十分な注意が必要です。