2023.05.05
飲酒対策
直行直帰でもアルコールチェックは必要?ドライバーのための基本知識
白色ナンバー車両を運転する事業者に対し、アルコールチェックが義務化されている現在。ただし、白色ナンバー車両のアルコールチェックについては、状況次第で義務化の範囲が異なっています。
この記事では、業務中における「直行直帰」時に的を絞り、白色ナンバー車両のアルコールチェックについて解説します。
目次
白色ナンバー車両におけるアルコールチェックの概要
白色ナンバー車両とは、白地のナンバープレートに緑色のナンバーが印字されている車両を指しています。自家用車に取り付けられる白色ナンバーですが、白色ナンバー車両を事業に利用することも可能です。
2022年の道路交通法施行規則の改正により、事業用に白色ナンバー車両を使用する事業者に対して、アルコールチェックが義務付けられました。
アルコールチェックが義務付けられる事業所
安全運転管理者(運転指導や車両の運行管理を行う安全運転管理業務の責任者)が選任されている事業所には、アルコールチェック義務が発生します。
具体的な条件(安全運転管理者の選任義務がある事業所)
- ● 白色ナンバー車両(乗用車)を5台以上保有している事業所
- ● 定められた収容人数11名以上の車両を1台以上保有している事業所
白色ナンバー車両保有事業者に対するアルコールチェック義務
アルコールチェックは、安全運転管理者とドライバーの対面式で行われます。
- ● 運転前及び運転後のドライバーに対し、酒気帯びの有無を対面目視で確認
- ● 確認した事実を記録し、内容を1年間保存
- ● カメラやモニターを利用し、ドライバーと対話できる状態で目視及び検知器等の測定結果を確認(対面が困難である場合)
直行直帰時のアルコールチェックについて
業務時に必要なアルコールチェック。直行直帰時であっても、アルコールチェックは必要です。
直行直帰の定義
直行直帰とは、仕事の際に会社や事業所を経由せず業務を行う行為です。自宅などから直接営業先や取引先へ出向き、仕事をこなした後は直接帰宅します。
アルコールチェックの方法
直行直帰時のアルコールチェックは、対面で行うことができません。遠隔地では、対面と同等の方法でアルコールチェックを行います。
アルコールチェックは、車両の運転を含む業務の前後に行う必要があります。具体的な方法は以下の通りです。
- ● 会社や事業者で運用しているアルコール管理システムと連動した検知器を使用する
- ● 携帯型アルコールチェッカーを利用し、スマホやモニターを通して結果を報告する
アルコールチェックの確認者
原則としてアルコールチェックは安全運転管理者が行います。ただし、安全運転管理者が不在の場合には、副安全運転管理者や、安全運転管理者の業務を補助する者に代行させることができます。
確認項目
アルコールチェックでは確認項目が決められており、内容を1年間保存しなければなりません。チェックや保存方法に指定はありません。具体的なチェック項目をまとめました。
- ① 確認者の名前
- ② ドライバーの名前
- ③ 運転者の業務に係る自動車登録番号または識別可能な記号・番号等
- ④ 確認の日付
- ⑤ 確認に用いた方法
- ⑥ 確認結果(酒気帯びの有無)
- ⑦ 指示事項
- ⑧ その他必要な事項
アルコールチェックが必要ないケース
原則として必要不可欠な業務中のアルコールチェックですが、例外がないわけではありません。代表的な事例は、突発的な業務によりレンタカー等を使用する場合です。
車両を伴わない現場において、一時的および突発的にレンタカーを使用する場合、アルコールチェックは必要ありません。
アルコールチェック製品やサービスについて
現在の法律では、白色ナンバー車両における該当事業所のアルコールチェックは義務化されていますが、アルコール検知器の使用は義務化されていません。
ただし、遠隔地でアルコールチェックを行う際には、アルコール検知器が必要です。法律の改正に伴い、様々なアルコールチェックサービスや検知器が各メーカーから展開されています。
法人向けアルコールチェッカー
法人用のアルコールチェッカーは、国が定める基準を満たしたアルコール検知精度を有しています。軽量でコンパクトなものが多く、直行直帰などの業務時に携帯する端末として便利です。
高品質・高実例のアルコール検知器「sociac(ソシアック)」
白色ナンバー事業者のアルコールチェックに対応したクラウド型サービス
スマートフォンや専用の検知器と連動し、ドライバーのアルコールチェック機能を完備したデジタルシステムです。インターネット上でデータを管理・保存することで、いつでもどこでもアルコールチェックを行うことができます。
アルコールチェックの重要性と効果
国内では、定期的に飲酒を伴う痛ましい死傷事故が発生しています。度重なる法改正による飲酒運転の厳罰化は、飲酒を伴う運転を撲滅するための施策です。
2022年にアルコールチェックの義務化範囲が拡大された背景には、前年に発生した飲酒運転による人身事故が大きく影響しています。
法律によりアルコールチェックの義務化を推進することは、すべての関係者に飲酒運転の危険性を再認識させる狙いがあります。
徹底したアルコールチェックを
法改正によって義務化の対象となった企業や事業所はもちろんですが、対象外の企業や事業所、個人であっても飲酒運転における危険性は変わりません。
車両を運転する際には「飲んだら乗らない」を徹底し、義務化の有無に関わらず積極的なアルコールチェックを行いましょう。