2023.02.22

飲酒対策

個人用の車両でもアルコールチェックは必要? 義務化の条件を再確認

2022年の改正道路交通法施行規則の施行により、白ナンバー車両にもアルコールチェックが義務化されました。ただし、義務化には具体的な対象範囲が規定されています。この記事では、法律の変更に伴う白ナンバー車両のアルコールチェックについて、解説します。

※アルコール検知器を使用したアルコールチェック規定は「当面の間、延期」とされています。(2023年2月現在)

目次

白ナンバーの車両にアルコールチェックは必要?

車両に取り付けられているナンバープレートは、緑ナンバー車両と白ナンバー車両に大別されています。貨物自動車運送事業者が所有する緑ナンバー車両は、すでにアルコールチェックが義務化されています。

2022年の法改正により、アルコールチェックが義務化された白ナンバー車両ですが、すべての白ナンバー車両が検査対象ではありません。検査の対象となるのは、特定の条件を満たしている事業所が所有する白ナンバー車両です。

白ナンバーの車両をプライベートや通勤に使う場合は問題ない

貨物自動車運送事業に関わりのない白ナンバー車両において、アルコールチェックの義務はありません。プライベートのドライブや、通勤や通学に車両を使用する際には、問題なく利用することができます。

白ナンバーの車両であっても安全運転管理者が選任されている事業所ではアルコールチェックが必要

貨物自動車運送事業所で使用されている白ナンバー車両は、利益を目的とした運用を禁止されていますが、自社の従業員や荷物を運ぶ(利益を生むことのない運用)ための使用は認められています。

【緑ナンバーと白ナンバーの違い】
 

  • 「緑ナンバー(事業用車両)」人の送迎や貨物の運搬を有償で行う車両。
  • 「白ナンバー(個人用車両)」自社の従業員や荷物を運ぶ車両。運搬に利益が発生しない

白ナンバー車両を利用する事業所では、規模に応じて(※詳細は後述)安全運転管理者を選任しなければなりません。アルコールチェック義務が発生する白ナンバー車両とは、「安全運転管理者選任事業所が所有する白ナンバー車両」を指しています。

一方で、安全運転管理者の選任義務がない事業所であれば、白ナンバー車両を所有及び使用している事業所であっても、アルコールチェック義務はありません。

関連記事:白ナンバートラックと緑ナンバートラックの違いとは。メリット・デメリットを解説
 

白ナンバー車両におけるアルコールチェックの義務化とは

2011年の法改正により、当初は「緑ナンバー(事業用車両)」を所有する事業所のみを対象として開始されたアルコールチェック。2022年に施行された改正道路交通法では、事業所で使用される白ナンバー車両にもアルコールチェックが義務化されました。

※2022年4月から安全運転管理者選任事業所における、白ナンバー車両の運転前後の目視によるアルコールチェックが義務化されました。

白ナンバー車両のアルコールチェックが義務づけられているのは、各事業所が選任している安全運転管理者です。安全運転管理者は、アルコールの有無を目視によって確認しなければなりません。

安全運転管理者とは、自動車の安全運転に欠かせない業務をこなす者であり、一定の基準を満たす事業所には選任義務が生じます。

【※安全運転管理者の選任義務がある事業所の条件】
 

  • 定員11名以上の白ナンバー車両を1台以上保有している
  • 定員10名以下の白ナンバー車両を5台以上保有している(自動二輪車は1台を0.5台として計算)

関連記事:白ナンバーの飲酒検査義務化で何が変わる?安全運転管理者のすべきことまとめ
 

義務化されたのは安全運転管理者による運転者への検査

アルコールチェックは、事業所に選任された安全運転管理者が行わなければなりません。ただし、副安全運転管理者を選任している場合や、補助者によるアルコールチェックも認められています。

現行の法律では、アルコールチェックを怠った場合の罰則は定められていません。ただし、安全運転管理者の選任を怠った場合には、罰則が存在します。白ナンバー車両を所有している事業所のアルコールチェック義務化とは、安全運転管理者の選任義務と言い換えることができます。


〈参考〉千葉県警察 安全運転管理者制度
 

まとめ

2022年の法改正では、安全運転管理者の目視によるアルコールチェックが義務づけられました。当初は、目視による確認に加えて「アルコール検知器」を用いた確認が予定されていましたが、現在では延期となっています。

飲酒運転撲滅のための貨物自動車運送事業業界を対象とした法改正は、厳罰化が進んでいます。またそれに加えて、今回の法改正があり今後は更に飲酒運転撲滅の為、厳罰化となる可能性もあります。飲酒運転や交通事故を起こさないためにも、常に正しい知識を身につけておかねばなりません。

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