2023.01.26

飲酒対策

「寝たら抜ける」は本当? アルコールが抜けるまでの時間の真偽

    目次

    体内にアルコールが残った状態では、様々な行動に制限が伴います。
    中でも車の運転は、法律でも厳罰に処される重大な違反です。
    アルコールを体内から抜くためには寝るのが良いとされていますが、実際に効果はあるのでしょうか?

    この記事では、アルコールと睡眠の関係について解説します。

    アルコールが抜ける時間には個人差がある

    アルコールが抜ける時間には、体内でアルコールを分解する能力が大きく影響します。血中に溶けたアルコールの代謝は主に肝臓で行われます。

     

    アルコールはADHやALDH2と呼ばれる酵素によって分解され、全身を巡るうちに人体に無害な物質となって体外へ排出されていきます。

     

    これら一連のアルコール代謝メカニズムに個人差はありませんが、代謝に必要な時間には個人差があります。アルコールの摂取量、種類、年齢、筋肉量、体脂肪率や肝臓の大きさ、アルコール摂取時の体調などが、代謝の効率に影響するのです。

     

    アルコールが抜ける時間に個人差がある以上、正確な時間を断定することはできません。アルコールが抜けるまでの時間は、特定できないと考えておきましょう。

     

    特定することが難しいアルコールの代謝時間ですが、おおよその目安はわかっています。以下に、一般的に流通している酒類を飲酒した際の、排出時間目安を記載します。

    アルコールが体外に排出されるまでの時間の目安

     

    (体重60kgの方を基準にした数字)

    酒の種類

    飲酒量

    アルコール濃度

    抜けるまでの時間

    ビール

    缶1本(500ml)

    5%

    4時間

    焼酎

    ロック、グラス1杯(150ml)

    20%

    約4時間

    日本酒

    1合(180ml)

    15%

    4時間

    ワイン

    グラス1杯(100ml)

    15%

    約2時間

    ウイスキー

    ロック、グラス1杯(150ml)

    40%

    約8時間

    アルコールの分解速度は睡眠を取ることで遅くなる

    摂取したアルコールを、なるべく早く抜きたいと考える方は多いかもしれません。頭痛や吐き気など、長い期間体調に支障をきたす状態であれば尚更でしょう。アルコールを早く抜きたいがために睡眠を取る、という方も少なくありません。

     

    しかし、アルコールを抜くために睡眠を取ることは間違いです。飲酒状態の睡眠はアルコールの分解速度を和らげ、酔いから覚める速度を遅らせてしまうことがわかっています。

     

    この事実は、国内の久里浜医療センターと、札幌医科大学が行った共同研究で証明されています。研究では、特定の男女を対象に体重1kg当たり0.75gのアルコールを摂取してもらい、その後4時間睡眠を取ったグループとまったく眠らずにいたグループの呼気中アルコール濃度を検証しています。

     

    検証の結果、4時間の睡眠を取ったグループの呼気中アルコール濃度は、まったく睡眠を取らなかったグループの約2倍という結果が出ています。

     

    睡眠中の人間の体は、肝臓やその他の臓器の働き、及び全身を巡る血流の流れが低下しています。アルコールは主に肝臓で分解されるため、睡眠により活動が鈍った体内では、自ずとアルコールの分解速度も低下するのです。

    通説や自分の感覚をあてにしてはいけない

    アルコールを体内から抜くために、様々な通説を実践することや思い込みによる自己判断は危険です。

    よく耳にする通説は間違い

    汗をたくさん流す

    発汗を促すことで、体内のアルコールを排出しようとする行為です。入浴やサウナなどを利用する方もいるでしょう。

    しかし、汗腺から排出されるアルコール量はごく僅かです。アルコールを抜くためには、あくまでも肝臓で分解されることが必要となります。

     

    無理に発汗を促すことは危険です。体内の水分が不足し、血中のアルコール濃度が上昇するばかりか、脱水症状を引き起こす危険性もあります。

     

    嘔吐

    飲酒による嘔吐の直後には、少なからず開放感があるかもしれません。

     

    しかし、嘔吐によって体外に排出されるアルコールは微々たる量であり、ほとんどのアルコールは血中に溶けて体内に吸収されています。嘔吐によってアルコールを抜くことは、難しいと考えておきましょう。

    飲酒時の感覚はあてにならない

    飲酒の習慣がある方であれば、体は酔った状態に慣れています。意識もはっきりしており、酔っている自覚症状がない場合などであっても、アルコールが抜けていると自己判断してはいけません。

     

    血中のアルコール濃度が高い状態でも、時間の経過と共に酔いの自覚症状は薄れていきます。体調の良し悪しに関わらず、飲酒時の感覚をあてにしてはいけません。

    運転前には必ずアルコールチェックを

    アルコールの抜け方に個人差がある以上は、自分自身による判断は確実ではありません。自動車運送業に従事する方のように、確実に体内のアルコールを抜かなければならない場合には、日々のアルコールチェックが必要でしょう。

    アルコールチェッカーを使おう

    アルコールチェッカーとは、体内のアルコール残量を確認することができる機器です。呼気を機器に吹きかけることによって、アルコール濃度を測定することができます。

     

    運送事業を展開する企業では、アルコールチェッカーによる運転手の飲酒チェックは義務化されており、業務用アルコールチェッカーが完備されています。仕事以外で日常的に車の運転を行う方には、市販用のアルコールチェッカーがおすすめです。

     

    持ち運びが便利で場所を取らないハンディタイプであれば、手軽にアルコールチェックを行うことができます。

     

    最近主流のモデルには、電気化学式(燃料電池式)ガスセンサーや半導体式ガスセンサーを利用するタイプが多く、それぞれに多くのメリットが存在します。自分自身が求める用途に合わせて、選択すると良いでしょう。

    まとめ

    アルコールを体外へ排出するための睡眠は間違いです。睡眠には、アルコールの分解速度を遅らせる効果が認められています。

     

    また、アルコールを摂取した際には、自分自身の感覚や根拠のない通説に頼ってはいけません。

     

    飲酒後の運転には十分な時間的余裕を持ち、アルコールチェッカーなどを用いて、アルコールが抜けていることを確認しましょう。

    この記事の執筆者

    中央自動車工業株式会社

    中央自動車工業株式会社は2002年からアルコール検知器「ソシアック」シリーズの製造販売を行っています。飲酒運転撲滅の実現を目指して、アルコール検知器「ソシアック」シリーズをはじめ自動車に関わる業務の効率化、安全管理のお役に立つ情報を発信しています。

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