2025.08.28

運送業界

普通免許で乗れるトラック|取得日によっては普通免許で2tトラックは運転できない

普通免許で乗れるトラックの範囲は、免許を取得した時期によって大きく異なります。
 
近年では車両総重量3.5t未満、最大積載量2t未満が目安とされ、軽貨物車両や一部の宅配用トラックがこれに該当します。
 
業務や日常利用でトラックを運転したい場合は、免許区分と車両条件の正しい理解が欠かせません。
 
今回の記事では、普通免許で運転できるトラックを始め、準中型・中型・大型免許で運転できるトラックについても解説していきます。

目次

普通免許で運転できるトラック

普通免許で運転できるトラックの条件は、免許をいつ取得したかによって変わります。
 
こちらでは次の3段階に分けて、普通免許で運転できるトラックについて解説していきます。
 

  • ・200761日までに普通免許を取得
  • ・2017311日までに普通免許を取得
  • ・2017312日以降に普通免許を取得

2007年6月1日までに取得した普通免許で運転できるトラック

2007年6月1日までに取得した普通免許では、現在の制度とは異なる条件でトラックを運転できます。
 
詳しくは次の表を参考にしてください。

  運転可能な範囲
車両総重量 8t未満
最大積載量 5t未満
乗車定員 10人以下

2007年6月2日の道路交通法改正(平成19年法律第90号)により、運転免許制度が改正され「中型免許」が新設されました。これにより、普通免許で運転できる車両の範囲が狭まりました。
 
現在では「中型8t限定免許」扱いとなり、条件を満たす中型トラック(いわゆる4tトラックの一部)が運転できます。

2017年3月11日までに取得した普通免許で運転できるトラック

2007年6月2日〜2017年3月11日までに取得した普通免許で運転可能なトラックについては、次の表を参考にしてください。

  運転可能な範囲
車両総重量 5t未満
最大積載量 3t未満
乗車定員 10人以下

2017年3月12日以降、免許制度が改正され「準中型免許」が新設されました。
 
現在では「準中型5t限定免許」扱いとなるため、小型トラック(2tおよび3tトラック)が運転できます。

2017年3月12日以降に取得した普通免許で運転できるトラック

次の表は、2017年3月12日以降に普通免許を取得した方が運転できるトラックの条件です。

  運転可能な範囲
車両総重量 3.5t未満
最大積載量 2.0t未満
乗車定員 10人以下

実際に「2tトラック」と呼ばれる車両であっても、最大積載量や車両総重量の条件によっては普通免許では運転できません。車検証に記載された数値で確認する必要があります。

準中型・中型・大型免許で運転できるトラック

こちらでは、準中型・中型・大型免許で乗れるトラックについて、車両総重量や最大積載量、免許取得年齢の条件を解説していきます。

準中型免許で運転できるトラック

2017年の法改正により、普通免許と中型免許の間に「準中型免許」が新設されました。

準中型免許で乗れるトラックの条件は、次の表を参考にしてください。

  内容
車両総重量 3.5t 〜 7.5t未満
最大積載量 2t 〜 4.5t未満
乗車定員 10人以下
取得年齢 満18歳以上(普通免許をもっていない人でも取得可能)

警察庁「の統計によると、2024年の準中型免許の合格者数は、約8万6千人ほどで合格率は85.1%でした。
参考:運転免許統計2024年(令和6年版)|警察庁
 
免許の取得ができる年齢も、満18歳以上と若年層でも比較的大きな車両を運転できるため、運送業界の人材確保に貢献していると言えます。

中型免許で運転できるトラック

中型免許で乗れるトラックの条件は、次の表を参考にしてください。

  内容
車両総重量 7.5t〜 11t未満
最大積載量 4.5t〜 6.5t未満
乗車定員 11人以上 〜 29人以下
取得年齢 満20歳以上(普通免許取得後2年以上)

積載量は約4t〜5t、車両総重量は約8t〜10tのトラックは、配送業や建設業でよく使われています。また、定員20人前後のマイクロバスも、運転することが可能です。
 
警察庁の統計によると、2024年の中型免許の取得者数は、約13万人ほどで合格率は96.5%でした。
参考:運転免許統計2024年(令和6年版)|警察庁

大型免許で運転できるトラック

大型免許で乗れるトラックの条件は、次の表を参考にしてください。

  内容
車両総重量 11t以上
最大積載量 6.5t以上
乗車定員 30人以上(バスなども含む)
取得年齢 満21歳以上(普通免許などの保有期間が通算3年以上必要)

最大積載量6.5t以上のトラックは、建設現場や物流拠点で活躍する大型車両が該当します。10tトラックは、この条件を満たす代表的な車種です。
 
乗車定員30人以上の車両には、大型観光バスなどが含まれます。人を運ぶ場合でも、定員が多いと大型免許が必要です。

警察庁の統計によると、2024年の第一種・大型免許の取得者数は、約6万5千人ほどで合格率は84.8%でした。
参考:運転免許統計2024年(令和6年版)|警察庁

運送業界で働くなら必要に応じて免許の取得を

運送業界でキャリアを築くなら、必要に応じて運転免許を取得し、ステップアップしていくのがおすすめです。
 
現在、普通免許で運転できるトラックは限定的で、物流現場ではより大型の車両を扱える方が、仕事としての幅が広がります。
 
2017年3月12日以降に取得した普通免許では、2tトラックを運転することはできません。そのため、準中型免許や中型免許、大型免許を取得することで、運転できる車両の幅が広がり、担当できる業務の種類や規模も格段に増えます。
 
これは、ドライバーとしての市場価値を高め、キャリアアップや収入の増加に繋がります。
 
会社によっては免許取得支援制度を設けている場合もあるため、積極的に活用を検討しましょう。
 
自身のキャリアプランと会社のニーズを照らし合わせ、計画的な免許取得が、安定した長期的なキャリア形成に繋がります。

まとめ

普通免許で乗れるトラックの範囲は、免許を取得した時期によって変わってきます。そのため運送業界で働くなら、必要に応じて運転免許を取得していくのがおすすめです。
 
高校卒業後に運送業界に就職するなら、普通免許よりも準中型免許を取得しましょう。18歳以上であれば、普通免許をもっていない人でも取得可能です。また、準中型免許を取得することで、普通自動車を運転することもできます。

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