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2021.10.26

飲酒対策

飲酒の後の運転は何時間後から可能?体からアルコールが抜ける時間の算出方法を解説

目次

運送業のドライバーによる飲酒運転事故は、心苦しいことに根絶されていかないのが実情です。

 

ドライバーの安全運転を徹底していくためには、飲酒を全面的に禁止するのではなく、飲酒後に十分な時間を空けてもらうことや、飲酒後どれだけの時間を空ければ運転が可能になるかを把握してもらうほうが最善策と言えます。

 

ここでは、アルコールの吸収から分解までのメカニズムとともに、飲酒後どのくらいの時間を空ければ運転が可能になるかを見ていきます。

飲酒後から運転可能になるまでの時間

飲酒運転をしないためには、お酒を飲まないでいるか、アルコールが体内から完全に抜け切った状態で運転を行わなければなりません。

 

一般的には1単位(後記)あたりの分解は4時間とされています。

 

 

体内からアルコールが抜ける時間は、アルコールの処理能力に深く関わります。

 

一般的に、飲酒後の血中濃度は30分~2時間後にピークを迎え、その後ゆるやかに下降していくとされています。

 

ただし、アルコールを分解するためにかかる時間は、体重・性別・年齢などの個人差や飲んだ量・アルコールの度数によって差が大きく出ます。

 

体重がより重い人の方が血液量が多く、血中のアルコール濃度が低くなるほか、年齢を重ねるほどアルコールの処理能力は低下していくことからも、一概に「何時間」と断言することはできません。

 

 

飲酒時のアルコール基準値については、以下の記事で詳細を解説しています。

酒気帯び運転とは?酒酔い運転との違いやそれぞれの基準値と罰則もあわせて解説

 

アルコール吸収から分解までのメカニズム

まず共通しているのはアルコールの吸収から分解に至るまでのメカニズムですが、摂取したアルコールは、

 

 ①胃と小腸で吸収される

 ②血液に溶け込む

 ③肝臓へ運ばれる

 ④肝臓でアルコールが分解される

 

この一連の流れを辿って吸収・分解されていきます。

アルコールの分解スピード

飲んだアルコールが肝臓で分解され、体外へ排出されるまでのに思っているよりも時間がかかります。

 

まずはアルコールの分解スピードを紐解いていきますが、理解を深めるためにアルコールの「単位」についてさらっておきましょう。

アルコールの単位

下の表は、アルコールの1単位とされている各酒類の量です。1単位=約20gの純アルコールを含んでいます。

 

種類

ビール

日本酒

ワイン

ウィスキー

チューハイ

焼酎

500m

中瓶1

ロング缶1

180ml

1

240ml

グラス2杯相当

60ml

ダブル1

350ml

7%のもの

180ml

20度のもの

純アルコール量(おおよそ)

20g

22g

24g

20g

20g

29g

よく耳にする「ドリンク」という単位は、飲酒量の単位を表しています。

 

「純アルコール10gを含むアルコール飲料」=1ドリンク」と換算するので、アルコールの単位表に記載されているアルコール飲料は全て「2ドリンク」と言うことができます。

1単位のアルコール分解にかかる時間

一例ですが、「特段お酒に弱くはない体重60〜70kg程度の人」で、「1時間あたり約5gのアルコールを処理することができる」と言われています。

 

アルコールに置き換えて考えると、以下の通りです。

 

ビール中瓶

日本酒

ウィスキー

1/4

1/4

1/4


つまりビール中瓶1本を飲んだ場合、アルコール1単位を分解するのに約4時間かかることがわかります。

アルコールが身体から抜ける時間の算出方法

実際にアルコールが身体から抜ける時間をより正確に算出するには、

 

  • ・純アルコール量をどのくらい摂取したか
  • ・摂取したアルコール処理にかかる時間はどのくらいか

 

の2つを計算し、おおよその数値を理解しておく必要があります。

 

以降の計算を分かりやすくするために、条件をシンプルなものに整えて計算していきましょう。

 

体重

70kg

お酒への強さ

特に弱くはない

摂取したお酒

ビール中瓶1(500ml)

1.純アルコール量の計算方法

お酒のラベルをよく見ると、中に含まれているアルコール度数が表記されています。一般的には体積パーセント(%)で表記されており、「アルコール5%」と書かれている場合「度数5」という意味を表しています。

 

アルコール5%のビールで考えると、100ml中に純アルコールが5ml含まれているということになります。

 

お酒の量(ml)×アルコール度数/100×0.8=純アルコール量(g)

 

例えば「ビールロング缶1本(500ml) 」で「アルコール度数5%」のビールを飲んだ場合、500(ml) ×  5(%)/100 × 0.8 = 20(g)という計算になるので、摂取した純アルコール量は20gであることがわかります。

 

これは、アルコール単位表で説明した20gの証明でもあります。

2.アルコール処理にかかる時間の算出方法

摂取した純アルコール量が明確になったら、実際に自分の体からアルコールが抜ける時間を計算していきます。

 

まず、算出するためには以下の方程式を使います。

 

[純アルコール量(g)]÷[体重(kg)×0.1]=アルコール処理にかかる時間

 

条件を、摂取した純アルコール量=20(g)、体重=70(kg)としているので、ビール中瓶1本(500ml)を摂取した場合のアルコール処理時間は以下の数値になります。

 

[計算式]

20g÷(70kg×0.1)=2.9時間 (※四捨五入)

 

この数値は体調や体質によって個人差が大きく出るので、目安として押さえておいてください。

 

 

では、より具体的な数字を把握するために、実例に近い数値で見てみましょう。

 

以下の条件を用いて計算していきます。

 

体重

70kg

お酒への強さ

特に弱くはない

摂取したお酒

日本酒3(540ml)

純アルコール量

22g×3

 

[計算式]

(22g×3)÷(70kg×0.1)=9.2時間(※四捨五入)

 

体重70kgの人が日本酒を3合飲んだ場合、アルコールが完全に分解されて体内から抜けた状態にするためには、最低でも半日(10時間)程度の時間を空けなければ飲酒後に運転をしてはならないと判断される状態になれるといえます。

 

尚、睡眠時にはアルコールの分解速度が低下するので、睡眠時間を含む場合はさらに時間を空けてください。

 

ここまで計算したものは全て一般的な人のケースで出した数字です。、あくまで目安です。一般的には1単位あたりの分解は4時間とされていることを念頭に置いてください。

 

飲酒後から何時間経過すれば運転可能になるかということは、個人のコンディションやアルコールの種類、摂取量によって違ってきます。

 

アルコールの分解速度を具体的に知りたい場合や、出勤前・出勤後のチェックにはアルコール検知器の導入と検査を行うようにしていきましょう。

 

まとめ

お酒の分解時間は個人差がありますが、皆さんが思っている以上に時間が掛かります。飲酒運転を避けるには、分解時間から前夜の飲酒量を調整するのも一つの手です。

2022年4月からの道交法改正により安全運転管理者選任事業所でのアルコールチェックが義務化となり、企業にも個人にも飲酒運転防止の意識向上が期待されます。
また企業の管理担当者は会社として飲酒運転を防止するための取り組みが必要となります。

弊社ではアルコール検知器「ソシアック」シリーズの製造・販売を通して飲酒運転を1件でも減らすための活動を行っています。「ソシアック」シリーズはリーズナブルなハンディタイプから通信機能を搭載したデータ管理型まで様々なラインナップをご用意しております。

 

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