2023.03.17

運送業界

黒ナンバーはプライベートで使える?普段使いで利用する際の注意点とは

黒ナンバーは、運送事業の軽貨物に取り付けるナンバープレートです。従業員を抱える運送事業が、黒ナンバーの車両をいくつか抱えている場合に加えて、個人事業主として一人一台で車両を所有している場合があります。

個人事業主として一人で黒ナンバーの車両を使っている場合、プライベート用としてもその車を普段使いすることができるのでしょうか?この記事では、黒ナンバーの車をプライベートで使えるのか、について解説していきます。

目次

黒ナンバーの車のプライベート利用はOK

黒ナンバーとは貨物軽自動車運送事業者で使用されている軽自動車を指します。プライベートでの普段使いは特に問題はありません。
 
しかしリース契約の場合は、自家用として使用ができない場合があるので、契約内容を確認してください。軽貨物車をリースする際、黒ナンバーの車両を普段使いで利用したい場合は、リース契約の内容を確認しておきましょう。

黒ナンバーをプライベートで使う際の注意点

黒ナンバーをプライベートで使う際には、注意点があります。それは「乗車人数」と「経費」です。

乗車人数は2人まで

軽自動車の定員は、最大4人乗りです。しかし、一般的に軽貨物車はリアシートを畳んだ状態で、乗車できる定員を2人で使用しています。乗車人数によって最大積載量も異なるため、2人のときは350kg、4人のときは250kgです。
 
狭い空間に人を無理矢理乗せた場合は、私用による利用であっても道路交通法違反となり、罰金や減点をもらうことになります。そのため、家族や友人など複数人を乗せての運転は難しいです。

私用のガソリン代は経費で落とせない

私用で利用する場合は、業務ではないのでガソリン代は経費にはあたりません。プライベートで軽貨物車を長距離運転した場合、ガソリン代はポケットマネーから支払ってください。
 
経費で落とした場合はプライベートと事業用で、レシートや領収書を別々に管理してください。

また、クレジットカードもプライベート用とビジネス用の2枚を持ち、使い分けると便利です。

黒ナンバーをプライベートで利用するメリット

黒ナンバーを普段使いで利用するメリットは、「固定費を抑えられる」事と「税金を安く抑えられる」事です。

固定費を抑えられる

プライベートで利用する車と業務で利用する車を保有すると、2台分の駐車場や固定費がかかります。そのため、黒ナンバーの車をプライベートで利用することで、駐車場代を浮かせることが可能です。

税金を安く抑えられる

自動車には「重量税」と「自動車税」が課せられます。黒ナンバーは事業用として取得しているため、自家用車よりも税金を安く抑えられます。

また、自家用に比べて軽貨物車の場合、任意保険の料金が高いです。しかし、事業用と普段使いで用途を兼ねるので、車両2台分の保険料をひとつにできます。
 
そのため、プライベートで任意保険に入る必要がないので、任意保険の高さもそこまで気にならないでしょう。

ただし契約内容によっては、プライベートで起こした事故は補償されないケースもあります。契約内容をしっかりと把握して、黒ナンバーを普段使いで運転してください。
 

黒ナンバーをプライベートで利用するデメリット

黒ナンバーを普段使いで利用するデメリットは、「3人以上を乗せられない」と「部品の消耗が早くなる」です。

3人以上を乗せられない

「黒ナンバーをプライベートで使う際の注意点」でも解説しましたが、軽貨物車は基本的には3人以上を乗せることができません。そのためご家族がいる場合は、プライベート用の車両を持っておいた方が無難です。
 
もしくは黒ナンバーを普段使いで利用しながら、ご家族や友人を乗せるときはカーシェアやレンタカーを利用する、という手段があります。

部品の消耗が早くなる

黒ナンバーの車両をプライベートでも使うデメリットは、部品の消耗が早くなることです。走行距離が多くなればなるほど、消耗品を頻繁に交換しなければいけません。
 
たとえばエンジンオイルは3,000km〜5,000kmの走行距離で交換が必要なので、交換のサイクルが早くなります。

そのほか、タイヤやバッテリーの消耗もあるので、日常点検はこまめに行ってください。

黒ナンバーの取得条件

黒ナンバーを取得するには、以下の4つの条件をクリアする必要があります。
 

  • ●1台以上の軽貨物車を保有
     
  • ●営業所・休憩施設・車庫を保有
     
  • ●運送約款
     
  • ●損害賠償能力と運行管理

1台以上の軽貨物車を保有している

軽貨物車(軽トラック、軽バンなど)を1台以上、保有して事業を運用する必要があります。軽貨物車には、登録できる車と登録できない車があります。

車検証には「用途」という項目があり、そこが「貨物」と記されているものになります。一方、自家用の軽自動車は基本的には「乗用」と記されています。

軽貨物の購入は中古車販売店での購入や、ディーラーでの購入もしくはリース契約で取得可能です。

営業所・休憩施設・車庫を保有する

軽貨物の保有のほかに、営業所・休憩施設・車庫も用意し保有しなければいけません。個人事業の場合は、自宅内を営業所と休憩施設に設定することできます。
 
車庫は原則として、営業所の近くに併設しなければいけません。併設が難しい場合は、営業所から半径2km以内の設置が好ましいです。

運送約款

運送事業をスタートするには、運送約款が必要です。運送約款とは、通運事業者の責任に関する事項が明確に定められた文章になります。
 
書類は国土交通省のあらかじめ用意された書面があるので、それを活用するのが一般的です。運送約款に関しては、国土交通省の公式サイトから合わせてご確認ください。
 
参考:自動車:標準運送約款 - 国土交通省 (mlit.go.jp)

損害賠償能力と運行管理

個人事業主とはいえ、運送事業を行うなら「賠償能力」を求められます。そのため、自賠責保険や任意保険への加入は必須です。
 
そして業務に使用する軽貨物車や、運転者の管理が必要になります。管理は事業者自ら行うか、従業員のなかから管理者を選定しなければいけません。

まとめ

黒ナンバーの車両は、プライベート車両として普段使いしても大丈夫です。3人以上の定員を乗せるのは難しいですが、ご家族のいない一人暮らしの個人事業主の場合は、プライベートと合わせて利用しても良いのではないでしょうか。
 
ケースに合わせてカーシェアやレンタカーを利用するなど、柔軟に対応しながら黒ナンバーを普段使いで運転するのもおすすめです。

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