2022.07.28

飲酒対策

飲酒運転の行政処分で免許取り消し! 再取得が難しい理由とは

目次

飲酒運転が原因となり、免許が取り消されてしまうことがあります。
一度取り消されてしまった免許資格は再取得するしかありませんが、免許の再取得には様々な障壁が存在します。

この記事では、取り消された免許の再取得における難しさについて解説します。

飲酒運転の免許再取得が難しいといわれる理由

一度取り消し(失効)になった免許資格は、いかなる場合においても再発効されることはありません。取り消された免許を再び得るためには、免許の再取得が必要です。

免許の再取得には、法律で定められた手順を踏まなければなりません。現在では、公認の自動車教習所へ入校する方法と、運転免許センターで実施される試験を受ける方法の2つが認められています。

試験や教習内容に変更はありませんが、過去に免許を所持していた事による利点もありません。免許の再取得が難しいとされる所以には、再取得において発生するこれらの手間が関係しています。

理由①:免許の再取得にはお金と時間が必要

必要な時間

再取得の前には、「※取消処分違反者講習」を受ける必要があります。取消処分違反者講習は、運転免許センターや自動車教習所で受講することができ、受講後には運転免許取得資格を得ることができます。

取消処分違反者講習は2日間行われます。その後、自動車教習所に入校する場合には、さらに数週間の時間を要します。免許センターで試験を受ける場合(通称:一発試験)でも、適性検査や仮免の取得、本免許の学科及び実技試験の受験に、まとまった時間が必要です。

免許の再取得には、一定の時間(期間)が必須です。社会人であれば、働きながら免許再取得のための時間を作らなければなりません。

必要な費用

自動車教習所に入校する場合には、20〜30万円程度の費用が必要です。免許センターで試験を受ける場合でも、数万円の費用を捻出しなければなりません。また、筆記試験や実技試験に落ちた場合には、追加費用が発生します。

※取消処分違反者講習終了後には、修了証が交付されます。修了証の有効期限は1年間です。

理由②:改めて試験を受けなくてはならない

過去に一度免許を取得している場合でも、再取得の際にはすべての試験を受け直さなければなりません。所定の学科試験及び、実技試験のすべてに再度合格しなければ、免許証の再取得はできないのです。

飲酒運転の罰則は年々厳しくなっている

近年では、飲酒運転による重大かつ悪質な事故が多発しています。政府は定期的に飲酒運転を取り締まる法律の新設や改定を行い、飲酒運転に対する厳罰化を図ってきました。現在の飲酒運転に対する行政処分と罰則は、以下の通りです。

飲酒運転の行政処分

酒酔い運転

  • 罰則:免許取消し、欠格期間3年

  • 点数:35点

酒気帯び運転

◯呼気中のアルコール濃度0.15mg/リットル〜0.25mg/リットル未満

  • 罰則:免許停止 期間90日間

  • 点数:13点

◯呼気中のアルコール濃度0.25mg/リットル以上

  • 罰則:免許取消し、欠格期間2年

  • 点数:25点

飲酒運転の罰則

車両等の運転当事者

  • 酒酔い運転:5年以下の懲役または100万円以下の罰金

  • 酒気帯び運転:3年以下の懲役または50万円以下の罰金

車両等を提供した人物

  • 酒酔い運転:5年以下の懲役または100万円以下の罰金

  • 酒気帯び運転:3年以下の懲役または50万円以下の罰金

酒類を提供した人物または同乗した人物

  • 酒酔い運転:3年以下の懲役または50万円以下の罰金

  • 酒気帯び運転:2年以下の懲役または30万円以下の罰金

さらに、飲酒運転による人身事故(交通事故などで、人が負傷または死亡した事故)を起こした場合には、刑法に準じた処罰を受けねばなりません。

〈参考〉警察庁 みんなで守る「飲酒運転をしない、させない」

刑法上の罪

過失運転致死傷罪(運転の際に必要な注意を怠った事により、人を負傷または死亡させた行為)

  • 7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金

 

危険運転致死傷罪(アルコールや薬物の影響のよって正常な運転が困難な状態で自動車を走行させ、人を負傷または死亡させた行為)

  • 負傷させた場合:15年以下の懲役

  • 死亡させた場合:1年以上20年以下の有期懲役

欠格期間について

欠格期間とは、飲酒運転違反者に対して設けられている行政処分の一つです。法律で定められた期間は、免許の再取得ができません。

欠格期間は犯した違反に対し加算された点数によって、具体的な期間が決められています。最大で10年に及ぶ欠格期間は、免許再取得を目指す場合の大きな障壁となるでしょう。

一般違反行為の欠格期間(1年〜5年)

スピード違反や駐車違反、信号無視など、比較的軽度の違反を犯した者を対象とする

特定違反行為の欠格期間(3年〜10年)

酒酔い運転や危険運転致死傷、ひき逃げなど、重大で悪質な違反を犯した者を対象とする

〈参考〉警視庁 行政処分基準点数

まとめ

免許の再取得には、様々な問題が発生します。欠格期間がある方は、然るべき期間を満了するまでは再取得自体が不可能です。

万が一、飲酒運転等で免許が取り消されてしまった場合には、再取得に必要なお金や時間を考慮した上で、最適な方法を選択しましょう。

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