2022.01.10

運送業界

白ナンバートラックと緑ナンバートラックの違いとは。メリット・デメリットを解説

目次

日本国内の物流の軸を担っているトラックをよく見ると、【白いナンバー】と【緑のナンバー】があるのを見かけますよね。それぞれには意味や特徴があり、税金の額も違います。

ここでは、各種ナンバーの役割の違いや、それぞれのメリットやデメリットについて解説していきます。

白ナンバーと緑ナンバーの違い

トラックに取り付けられている白ナンバーと緑ナンバーの違いは、端的に表すと「自家用車か事業用車か」ということになります。

一般的に、白ナンバーは公道を走行する一般車両に装着義務がありますが、緑ナンバーは車両を使用して貨物を運送し金銭を受け取る事業者に装着義務があります。

両者の違いは他にも、運搬物や税金などに見られます。

 

運搬物

白ナンバーと緑ナンバーの大きな違いの一つに、「運搬物の違い」が挙げられます。

食品メーカーが自社の車両を使って自社製品を納品する場合は、白ナンバーのトラックを使ってなんら問題はありません。

他社から依頼を受けて荷物を輸送したり、人を乗せて送迎したりする場合は緑ナンバーの装着が義務付けられています。

 

白ナンバー

自社の製品や荷物を社有のトラックで運ぶことを使用目的とし、他人のものではなく、自社のもののみを運ぶ場合は白ナンバーでOK

緑ナンバー

有償で他人の貨物の運搬を行う、または人を送迎するなどの使用目的で、運賃が利益となる場合は緑ナンバーの装着が義務付けられている。

税金

毎年納税の義務が生じる「自動車税」は、車両積載量に応じて決定されています。総じていうと、緑ナンバーの方が安く抑えることができるのが特徴です。

 

以下の表では、典型的な2トン積載車を例に、中型・大型トラックで自動車税の違いを比較しています。

 

最大積載量2トン

白ナンバー:11,500

 

緑ナンバー:9,000

最大積載量4トン

白ナンバー:20,500

 

緑ナンバー:15,000

最大積載量8トン

白ナンバー:40,500

 

緑ナンバー:29,500

 

白ナンバーが年間11,500円〜40,500円であるのに対し、緑ナンバーは9,500円〜29,500円です。

また、購入の際にかかる自動車重量税にも違いが見られます。

以下の表では、典型的な2トン積載車を例に、中型・大型トラックで自動車税の違いを比較しています。

 

車両総重量5トン

白ナンバー:20,500

 

緑ナンバー:13,000

車両総重量8トン

白ナンバー:32,500

 

緑ナンバー:20,800

車両総重量20トン

白ナンバー:82,500

 

緑ナンバー:52,500

 

白ナンバーが20,500円~36,900円であるのに対し、緑ナンバーでは13,000円~23,400円です。

エコカーの条件に当てはまる場合や、継続車検を受ける場合は、金額に変動があります。
詳細は国土交通省のHPに記載されているので、確認してみてください。

参考:国土交通省HP(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000076.html)

緑ナンバーを取得するメリット

緑ナンバーは正式名称を「貨物自動車運送事業法の一般貨物自動車運送事業」と言います。他にも「営業ナンバー」「青ナンバー」「貨物運送事業」「事業用トラック」と呼ばれることもあります。

貨物自動車運送事業法という法律で以下のように定められているものです。

[貨物自動車運送事業法 第2条 第2項目]
他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業
引用:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=401AC0000000083

この緑ナンバーを取得すると、以下のようなメリットがあります。

社会的信用の向上

緑ナンバーは、トラック購入のために金融機関から融資を受ける際、緑ナンバーの許可証の提示を求められます。

緑ナンバーを取り付けているということは、合法企業の運送業者であるという裏付けでもあるため、社会的信用が高いのです。

従業員への社会的安心の提供

緑ナンバーのトラックドライバーは、社会保険のへ加入が義務付けられています。福利厚生の盤石さはドライバーの安心にも繋がるため、従業員満足度の向上も図ることができます。

緑ナンバーを取得するデメリット

緑ナンバーを取得すると、メリットばかりではないのが実情です。特に任意の自動車保険に関しては、かなりシビアな面があります。

特に、以下のような点が挙げられます。
 

  • ●自動車保険(任意)の保険料は、白ナンバーと比べて1.5倍〜2倍程度。
  • 緑ナンバーを引き受けてくれる保険会社は意外と少ない。
  • 保険料が安く抑えられるとされているネット自動車保険はほとんど引き受けていない。


任意の自動車保険に関しては多少のコストがかかるものの、企業としてはやはり「社会的信頼」が何より大切です。

緑ナンバーの許可業者であるか否かは、企業の世間的なイメージにも繋がっていきます。

社会的な信頼を継続して得ていくために

日々、物流を支えている運送業でも社会の信頼は何よりも失えないものです。緑ナンバーを取り付けるからには、社会的信頼を落とすわけにはいきません。

近年では、トラックドライバーによる飲酒運転事故も多く目立つようになってきました。

数々の凄惨な事故を受け、2021年9月2日には警察庁が道路交通法施行規則の一部を改正するとし、緑ナンバーを取得している事業者はもちろん、白ナンバーのドライバーにも飲酒検査が義務付けられています。

白ナンバーの飲酒検査義務化については、以下の記事で詳細を解説しています。


SAFETY LIFE MEDIA「白ナンバーの飲酒検査義務化で何が変わる?安全運転管理者のすべきことまとめ」

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